茶道では薄茶と濃茶があって、その味わいや口当たりは全然違います。
では使っている抹茶が違うのでしょうか?
いえ、そういうわけではありません。同じ抹茶です。
ですが薄茶用として売られている抹茶が全て濃茶でも使えるか、
というと若干違いがあります。
抹茶の製作の工程を見ながら、茶道で使う抹茶について紹介しましょう。
抹茶には薄茶用がたしかにあります
抹茶は一般的に飲まれているお茶よりずっとお値段は高めです。
その価格の幅は広く、気軽に自宅で薄茶を飲みたいだけだから
とりあえず一番安いもので・・
と買って抹茶を楽しんでいる人、たくさんいると思います。
この薄茶に使った抹茶を濃茶にすること、できます。
ただ、薄茶用のものは濃茶にすると風味に欠け、物足りなさを感じる
ことは間違いないと思います。
濃茶は薄茶の約3倍の量を使い、
少量のお湯で練るので抹茶そのものの味がよりはっきりとわかるのです。
つまり、濃茶として耐えうるだけのレベルの抹茶でないと、
実際口にすると正直に言ってマズイ・・と感じるかもしれないのです。
やはりコーヒーや紅茶と同じで、価格の高いものはやはり深みや
香りがあってより美味しいことは否めないのです・・
抹茶の製作は手間がとてもかかる!
抹茶は実に手間のかかる工程を経て製作されています。
お茶の新芽が出たら、日光に当てないように覆いを被せてしまうのです。
よしずや、寒冷紗という布を使いますが、茶農園によって違います。
日光を遮ることで、お茶の芽が太陽の光を求めて大きく広がる時に、
葉緑素が増加し、お茶の重要な栄養素、テアニンが増えるので
美しい緑色とうま味成分が造成されます。
テアニンは日光に当たるとカテキンにかわるので、
抹茶はテアニンが豊富だということになりますね。
約20日ほど覆われた茶の芽は、ひとつひとつ手で摘まれていき、
高温で蒸されて発酵による品質劣化を防ぎます。
その後、攪拌して乾燥させます。この状態を荒茶といいます。
お茶屋さんによっては、ここで低温貯蔵をしたりします。
さらに乾燥させ、葉脈や茎を取り除いたお茶は碾茶(てんちゃ)と呼ばれます。
これは栄養とうま味が詰まった葉だけにする工程なのです。
さらにここでも、色、形、香りなどで出来の良いものだけが選ばれて行きます。
そして碾茶を好みの味や特徴に合わせてブレンドしていく合組み(あいぐみ)という作業があります。
最後は合い組みされたお茶を石臼で挽き、ミクロン単位の細かい粒子状の抹茶になるのです。
現在でも石臼を使っているのですよ。
抹茶の製作工程って、実に手間がかかっていますね!
抹茶の効能についてはこちらに詳しく書いてありますので、ご覧になってくださいね。
薄茶と濃茶の抹茶売り場はどこにあるの?
濃茶としては少々役不足の感が否めない、リーズナブルな薄茶用の抹茶は
大型スーパーなどで、普通のお茶売り場のコーナーの棚に1,2種類
置いてあることもありますが、やはり濃茶になりうるだけのレベルの抹茶を
買いたい時は、お茶屋さんやデパートに行ってみましょう。
何百年と続くお茶店の直売所もありますよ。
抹茶のお店や価格について詳しく知りたい方は、
和美×茶比のこちらの記事が参考になると思います。
もちろんネットショップで有名な老舗店の抹茶や家元御用達の抹茶も売っています。
いや、ほんとうに、価格にびっくりなこともしばしばです。
それでも製作工程、この手間の分だけのものであるとわかれば、納得かも。