「骨董」というと、あなたはどんな物を思い起こしますか?
茶碗、絵皿・・古くてなんだか薄汚れてるけど、
実は価値があって お宝と言われるもの。
みなさん、漠然とこんなイメージを描くと想いますが、
骨董とは、本来、どのような意味があるのでしょうか?
辞書をひいてみた
辞書で「骨董」とひいいてみると、
二つの意味が書かれていました。
1)美術的な価値や希少価値のある古美術品や古道具類。
アンティーク
こちらが、みなさんが持っているイメージですね。
そしてもう1つ。
2 )古いだけで実際の役には立たなくなったもの。
「骨董的存在」
確かに、皮肉をこめた悪い意味で、
「骨董」という言葉を使うこともありますね。
1も2も、「古いもの」という点は共通ですが、
価値が「ある」ものにも、
価値が「ない」ものにも、
使うことがあるのです。
どのくらい古ければ骨董なの?
私の父は
「50年経てば、なんでも骨董的価値が生まれる」
と言って、古いテレビやラジオ、100円札・・・
私から見ればガラクタを物置や引き出しに入れて
大切に保管してきました。
でも、残念ながら、50年経ったくらいでは、
骨董的な希少価値は 生まれてこないようで、
倉庫の中のものはガラクタのままです(笑)
では、実際は、何年前のものが骨董となるのでしょうか?
何年以上たてば、骨董と呼んでもよいといった規則は
あるのでしょうか?
明確に定義しているのは、
1934年にアメリカ合衆国で制定された
通商関税法です。
骨董とは、
「製造された時点から100年を経過した
手工芸品・工芸品・美術品」
と定義づけされており、
多くの欧米の国では、この規定に従っています。
ということは・・50年は、まだ道半ば・・
うちの物置にある古い物たちは、
あと50年は居座ってもらわないと
いけないようです。
それでも、価値がでるのかどうかは
わかりませんね。
具体的にはどんなもの?
明代の文人董其昌の《骨董十三説》に,骨董と呼ぶべきものとして
金,玉,書画墨跡,石印,鐫刻,窯器,漆器,琴,剣,鏡,硯
などがあげられいます。
日本でも、おおよそ同じようなものを骨董と呼んできました。
なお、骨董の語源については、
骨董の語源とは?歴史を紹介!
をご覧ください。
現代の骨董の意味
現代でも、古いもので、希少価値のある道具類や家具を
「骨董」と呼びます。
ただし、絵画や掛軸の類は含みません。
「骨董」は現代では飾られ、眺められるものになっていますが
当初は、人間が使う為に作られた道具類だった
ということが、骨董と呼ばれる前提条件になります。
先ほどの定義によれば、
作られてから100 年経過してない道具類は
骨董と呼べないので、
「古道具」「古家具」と呼ばれます。
他にも、ギターやジーンズなどは
「ビンテージ」という言葉が使われますね。
古いものでも、希少価値がないものは、
「リサイクル商品」「リユース品」と呼ばれて
区別されています。
悪い意味の「骨董」
さて、悪い意味で骨董という言葉が使われるのは
どういう時でしょうか?
だいたい人間に対して使われる時は
悪い意味のようですね。
「そのまま、お肌の手入れをしないと、
骨董になっちゃうわよ〜」
言われちゃったりしてませんか?
こう言われても、
「あら、希少価値が出るってことかしら?」
と思う人はいませんよね
人間に使われる場合は、
「古くて役にたたない」という意味や
「古くて価値がありそうだけど、使いにくい」
というニュアンスを含みます。
ものしろ、人にしろ、「骨董」をあつかう時は、
用心が必要ですね!
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