骨董屋の店先に並ぶ、綺麗な絵が付いた花瓶・・
お値段も高いし、いかにも古そうなもの。
お店の人も勧めるし、とっても気に入っているのだけど
贋作だったらどうしよう・・と思いますよね。
洋服や靴ならば、
「サイズがあわなかったから」
といって、交換や返品を受け付けてくれますが、
骨董品が偽物だったら、返品を受け付けてくれるのでしょうか?
返品の基本は一般の店舗と同じ扱い
いくつかの骨董屋のホームページを見たところ、
一般的に、返品については、
以下のようなルールを定めているようでした。
傷がついていた場合等、店舗側に責任がある場合は
全額返金
・お客様の都合で返品とする場合は、
一定期間内に申し出があった場合に受け入れる。
その場合、商品代は返金するが、
返送の運賃等の費用はお客様負担。
ふつうの商品を扱うお店と同じような返品ルールですね。
偽物は返品できないの?
明らかな偽物なら、店側も信頼に関わることなので
すぐに引き取るようなのですが、
実は、意外と「偽物」と証明することが難しいのです。
1)店側に悪意がある場合
そもそも、店側は「偽物」と知っていたけど、
販売する場合、 証拠を残しませんよね。
「XX先生の作風にはそっくりですね・・」
「おそらく桃山時代のものでしょう・・」
など、断定的な発言はしないようです。
たとえ、断定的な発言をしても、
「そんなことは言ってませんよ」
と 後で言われてしまえば、返す術がありません。
「お客様も偽物かもしれないと納得されて、
購入されたのですよね?」
と言われてしまえば、
「言った」「言わない」の水掛け論になるばかりです。
2)店側が本物だと確信を持っている場合
骨董で偽物を売るのは詐欺にならないの?
で記載しましたが、
文部省の技官でも判断を誤るくらい
偽物と本物を見分けるのは、
とても難しい場合があります。
ですから、買ったものが「偽物だった!」と思っても
店側は確信をもって「本物です」と言い張り、
意見が食い違う場合も多数出てくるでしょう。
この場合、どちらかが「真偽」を証明する必要があります。
一部の美術品は、
東京美術倶楽部といった公的な鑑定機関が存在します。
また、作家の子孫が鑑定して
真贋を判定することもあります。
しかし、こういった鑑定機関があるのは
一部の作家に限定されます。
本物であることを証明することが難しいように
偽物であることを証明するのも難しいのです。
ネットオークションは要注意
偽物本物にまつわる返品のトラブルは、
ネットオークションでも多発しています。
比較的安いお値段で骨董品が購入できる一方、
実物を見ず、取引相手と顔も合わせずに、
値段を決めて取引するわけですから、
「思っていたものと違うものがきた・・」
という ことが多いようです。
出品者によっては、
「写真だけで判断してください。」
「基本的に返品お断り。」
と明記している店舗もありますね。
写真と実物が違うというのはよくあること。
細かい部分は写真では見えません。
返品を受け付けないという出品者の態度も
いかがかと思いますが
細心の注意を払ってから、購入するべきでしょう。
信頼した店から購入するのが一番!
偽物を証明して返品するのは
様々な事情で難しいことがお分かりいただけましたか?
高価な骨董品を購入したいと思うなら、
信頼できるお店から購入する方がよいでしょう。
中途半端に 知ったかぶりをして掘り出し物を探すよりも
正当なお値段を払って購入する方が、
偽物を手にするリスクは下がりますね。
こちらの記事も参考にして
信頼できる骨董屋を探してみてください。
骨董の鑑定が無料だと危ない?
とはいえ、掘り出し物探しは、骨董収集の醍醐味ですから、
自分の許せる範囲の冒険もしてみましょう。
痛い目にあうこともありますが、
こうして勉強することで、
目利きになっていくのですから!
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