京都・浅草といった観光地、銀座・新宿といった町を歩くと
多くの外国人観光客に出会います。
今や、様々な日本の文化が海外で紹介され、人気となっています。
この日本の文化で人気を得ているのは、
世界の言葉で放送されるアニメや漫画ですが、
おもてなしの精神も一役買っているのです。
日本文化の人気は幕末から!
江戸時代、200年以上にわたり鎖国をしていた日本。
日本の文化が海外へ紹介されるのは、長崎・出島を通じて
有田焼などが輸出される程度でした。
幕末、ペリーの来航を契機に日本と西欧諸国の貿易が拡大すると、
日本文化が高く評価され、大人気となりました。
中でも浮世絵は、たいへん人気となり、
モネ・ゴッホといった画家たちが競って収集しています。
また、ゴッホは油絵で花魁や歌川広重の風景図を模写しています。
ヨーロッパの芸術界では日本趣味「ジャポニスム」がブームとなり、
浮世絵の影響を受けた大胆な構図の絵画などが描かれていきました。
音楽の世界でも日本の文化の影響が広がり、
オペラ「蝶々夫人」は日本の芸者が主人公ですし、
オペレッタ「ミカド」は、そもそも日本を思わせる国が舞台で、
「ミーヤサン♪ミーヤサン♪」と歌う劇中歌は、
日本人なら聞き覚えがある「宮さん宮さん」(トンヤラ節)が
ベースになっています。
パリ万博ですでに「おもてなし」が話題に?
日本の文化の人気がヨーロッパで広がった背景に万博がありました。
日本も、1867年パリ万博に初めて参加し、
パビリオンとして「茶屋」を出展しました。
そこに柳橋の3人の芸者が「コンパニオン」として
詰めていました。
それぞれの名前は、「おさと」「おかね」「おすみ」。
髪は桃割れ、友禅縮緬の振袖に丸帯を締めた艶やかな芸者姿で、
長い煙管で煙草盆の火をつけて煙草を吸ったり
日本酒の酌をしたりお茶を提供したりしていたそうです。
この芸者3人の「おもてなし」が話題を呼び、
日本のパビリオンはパリ万博でも最も人気の高いものの
ひとつとなりました。
評価されるのは、なにげない「おもてなし」
さて、現在、インターネットを通じて
アニメや漫画といった日本の文化が世界中に発信され、
多くの外国人観光客が興味をもって日本を訪れるようになりました。
「爆買」ショッピングや名所旧跡観光が目的の方が多いようですが、
日本でうけた「おもてなし」が心に残ることがあるようです。
どんな「おもてなし」がうけているのでしょうか?
まず、第一にあげられるのは「丁寧な挨拶」。
店に入れば「いらっしゃいませ」、
出る時も「ありがとうございました」と
丁寧に頭を下げられることの評価が高いようです。
旅館を出発する時など「見えなくなえるまで送ってくれた」
という点もサプライズとして喜ばれているようです。
他にも、清潔なトイレ、時刻通りに到着する電車、
自動的に開くタクシーの扉・・など、
「接客するならそれぐらい当然」と私たちが考えていることが、
高く評価されているようですね。
本当のおもてなしは思いやり
ただし、日本でのサービスが「マニュアル化」されすぎて、
画一的という意見もあるようです。
何度も日本に来ている外国人に対しても、
初めて日本に来た人と同じく、
旅館での靴の脱ぎ方や電車の乗り方を教えていて、
相手の方はちょっとうんざり顔をしていたり・・・
また、そもそも外国語ができないため、
何か話しかけられると逃げてしまう店員さんみかけますよね。
おもてなしの基本は思いやり。
「この人は、何度も日本に来てる?」など
相手の方の好みや様子を見て、
臨機応変に対応を変えられるようになれば、
誰が訪ねてきても自信をもって、おもてなしができますね!
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