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時そばの落語|あらすじ&オチまとめ【動画あり】

落語

落語時そばのあらすじ&オチ

落語「時そば」は有名な落語の演目ですよね。

落語に詳しくなくても「時そば」の演目名くらいは聞いたことがあるという方も多いのでないでしょうか?

江戸落語では「時そば」で、上方落語では「時うどん」と呼び方が変わります。

落語「時そば」は落語を聞いたことがない人でも楽しめる笑いどころの多い落語です。

この記事では落語「時そば」のあらすじやオチ、名人、教訓などについて解説しています。

落語に興味のある方は是非ご一読ください。

「時そば」の落語とはどんな内容の演目?

引用:お江戸の科学

落語は予備知識がなくても楽しめる古典芸能ですが、江戸時代の日本人の風習や暮らしについて学ぶと落語を深く理解できます。

落語「時そば」は上記の図を頭に入れてから聞くと更に楽しめますよ。

江戸時代はお金の単位や時間の数え方など、衣食住のあらゆることが現代とは違っていたんですね。

落語を聞いて楽しく学びましょうね。

「時そば」の落語のあらすじ

落語「時そば」は冬のお噺です。

深夜0時(昔の9つの時刻)に小腹が空いたAが屋台の二八そば屋を呼び止めます。

Aはそば屋の主人と気さくに会話を楽しみ、「何ができる?花巻にしっぽく?しっぽくひとつこしらえてくんねえ。それにしても寒いなあ」とちくわ入りのかけそばを注文します。

その後は屋台の看板を褒めたり、割られていない割り箸を見て「箸が割られていると誰が使ったかわからないから気持ち悪い」などと言いながら割られていない割り箸まで褒めます。

さらにそばを食べながらそばを入れる器や汁の味や麺の細さ、厚く切ったちくわなど、とにかく褒めちぎります。

そばをきれいに食べ終わったあとAは、そば代の16文を払うのですが、ここで「おい、蕎麦屋さん、あいにく細けえ銭しか持ってねえんだ。落としちゃいけねえ、手え出してくれ」と言って、そば屋の主人の掌に一文銭を一枚一枚数えながらテンポよく乗せていきます。

「一(ひい)、二(ふう)、三(みい)、四(よう)、五(いつ)、六(むう)、七(なな)、八(やあ)」と数えたところでAは「今何時(いまなんどき)でい!」と時刻を尋ねます。

主人が「へい、九つです」と応えると、Aは間髪入れずに「十(とう)、十一、十二、十三、十四、十五、十六、御馳走様」と続けて16文を数え上げ、すぐさま店を立ち去っていったのでした。

これはつまり、Aがそばの勘定を一文をごまかしたのですね。

この一部始終を見ていた男Bは、Aがペラペラ喋ったり、やたらと褒めちぎっていた不自然な言動を振り返り、Aが勘定をごまかしたことに気付きます。

「なんて悪い野郎だ、騙されたそば屋が気の毒じゃねえか…」と、騙されたそば屋を気の毒に感じるような良い人間は残念ながら落語にはあまり登場しません。

Aの手口にえらく感心したBは、自分も同じことを翌日に試みることにします。

そばを食べることが目的ではなく、1文をごまかすためだけにわざわざそばを食べにいくのですね。

翌日待ちきれずに夕べよりも早い時間から外に繰り出したBは、屋台のそば屋を見つけます。

Bは昨日のAがしたことをそっくりそのまま真似しようとするのですが、ことごとくうまくいきません。

まずそば屋から出された箸は割れていて誰かがすでに使ったものです。

そして器は欠けていて口が切れそうだし、汁は辛過ぎて飲みにくいし、そばは伸びきってフニャフニャだし、ちくわはまがい物の麩(ふ)を使用しているという有様です。

Bはそばを食べることはあきらめて、目的の勘定に取り掛かります。

「一(ひい)、二(ふう)、三(みい)、四(よう)、五(いつ)、六(むう)、七(なな)、八(やあ)」

…今「何時でい」とBが尋ねると、主人が「へい、四つです」。

「五(いつ)、六(むう)、七(なな)、八(やあ)…」。

 

まずいそばを食わされたうえに勘定を余計に4文取られるというオチです。

悪いことを考えていたBが悪いのですが、なんだか気の毒な気持ちになりますね。

「時そば」の落語のオチ・サゲ【ネタバレ】

落語「時そば」のオチは「五(いつ)、六(むう)、七(なな)、八(やあ)…」。

不味い蕎麦を食べたあとに四文多く勘定を払うというオチです。

「時そば」は噺のスジとしてはいたってシンプルで小学生でも十分理解できる落語でしょう。

当時の時報では深夜の「暁9つ(午前0時)」の前が「夜4つ(午後10時頃)」だったことにより、この話が成立しています。

ちなみに大阪では「時うどん」という演目名になり、「3文損をする」というオチになります。

上方落語「時うどん」のオチは「一(ひとつ)、二(ふたつ)、三(みっつ)、四(よっつ)五(いつつ)、六(むっつ)、七(ななつ)、八(やっつ)、うどん屋、いま、何時(なんどき)や?」

「へい、五つ(いつつ)でんな」

「六(むっつ)、七(ななつ)、八(やっつ)…」

三文損しよった。

となります。

「時そば」の落語の意味・教訓を解説

落語「時そば」の教訓は人の真似をして利益を得ようとしても、しっかりと下調べをしたり準備をしなければ失敗する、ということでしょうか。

成功している人間の真似は大いにやるべきでですが、真似をするなら完璧にやらなければいけないようです。

しっかりとした準備の大切さを教えられますね。

落語の「時そば」の名人!十八番は誰?【動画あり】

それでは落語「時そば」の名人を紹介しましょう。

人間国宝 五代目柳家小さんの「時そば」

落語「時そば」の名人は五代目の柳家小さんです。

落語家で初めて重要無形民俗文化財(人間国宝)に認定された大実力者で功労者です。

小さんのそばを食べる描写を見たお客は、あまりの上手さに自分もそばを食べたくなったそうです。

私はCDでしか柳家小さんのそばを食べる音を聞いたことはありませんが本当に美味しそうな音で「これぞ名人芸」と感心も得心もしました。

落語の「時そば」の名演を紹介【動画あり】

落語「時そば」の名人は五代目柳家小さん以外にも存在します。

ここでは古今亭志ん朝、柳家小三治(人間国宝で五代目小さんの弟子)、上方の桂枝雀などを紹介します。

古今亭志ん朝の「時そば」

古今亭志ん朝は上品で江戸落語の代名詞のような存在ですが、「時そば」のような滑稽噺も高座でかけていたようです。

柳家小三治の「時そば」

五代目柳家小さんの弟子で落語界で三人目の人間国宝に認定された柳家小三治の「時そば」も絶品です。

師匠小さんの十八番のため比較されることもあるでしょうが、小三治の個性や長所を活かした「時そば」で観客を魅了します。

桂枝雀の「時うどん」

上方落語の爆笑王・桂枝雀の「時うどん」です。

関東は「そば」で関西は「うどん」なのですね。

「時うどん」というお馴染みの古典落語でも、枝雀が語れば大爆笑の落語に生まれ変わります。

アニメになった落語「時そば」

滝田ゆう落語劇場 三遊亭小遊三の「時そば」です。

アニメになると想像しやすくていいですね。落語初心者の方は是非ご覧ください。

柳家喬太郎の「時そば」

古典落語・新作落語の両刀使いで現代の名人・柳家喬太郎の「時そば」です。

落語「時そば」に入る前のマクラ「コロッケそば」が大爆笑マクラだと注目されています。

「時そば」の落語の台本!内容をテキストで解説

江戸落語の「時そば」と上方落語の「時うどん」の聞き比べです。

関東弁と関西弁の違いはありますが、台本の違いにも注目して聞いてください。

名人・柳家さん喬の「時そば」と奇才・笑福亭たまの「時うどん」です。

まとめ

落語「時そば」のあらすじ・オチ・名人・教訓などについて解説しました。

東京の寄席では「時そば」は真打ちがかけることが多いネタですが、大阪では前座ネタとして頻繁に高座で聞くことができます。

「これぞ落語」というくらいに落語の魅力が詰まった噺なので、まだ「時そば」を聞いたことがない方は是非聞くことをオススメします。

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