抹茶茶碗は、本当に種類が豊富!
産地、色、形、絵柄の違いが様々で、
いざ、自分で使う茶碗を選ぶとなると迷いますね。
お稽古場でも、数ある茶碗の中から
自分の好みを選んで持ち出そうとしたら、
先生に
「それは、このお点前では使わないのよ」
などと教えていただいたことありませんか?
茶碗の選び方にも、ちょっとしたルールがあるのです。
お茶碗にも格がある
「一楽、二萩、三唐津」
という言葉はご存知ですか?
これは、茶人が好む茶碗の産地のランクのこと。
一般的に、これに井戸茶碗を加えたものが
格が上と言われます。
また、無地のものが好まれ、
絵付きのものは1ランク下ということに。
ただ、こちらは、あくまで基本的な考え方。
古いものは珍重されますし、
有名な陶芸家や茶人の作品や、家元の書付があるものは、
格が高いとみなされることもあります。
使うお茶碗を選ぶときは、まず、「格」を考慮しましょう。
濃茶は格の高い茶碗で
濃茶では格の高い茶碗ということで、
楽、萩、唐津、井戸辺りを選ぶとよいでしょう。
特に千家では、楽茶碗が好まれます。
中でも、表千家では、ほとんど、濃茶では楽茶碗が使われます。
(私は表千家でお稽古しているので、
他の流派の様子はよくわからないのですが。)
薄茶は、濃茶のように茶碗の格は問われませんので、
好きなものを使ってよいでしょう。
季節によって使う茶碗もある
季節感を大切にするのが茶道。
夏は涼しげに、冬は暖かくみせることも大切です。
夏は、涼しげに見える口の大きく開いた「平茶碗」を使います。
また、真夏のカジュアルなお席では、
素材も半透明のガラス素材など、
ちょっと遊び心のあるものもよいですね。
真冬はお茶が冷めないように、
口の狭くて深い「筒茶碗」を使います。
保温性の高い楽の筒茶碗だと、
真冬の寒い茶室でもお茶が冷めずにいただけますね。
また、茶碗にえがかれた絵柄も大切です。
桜や紅葉など、植物が描かれたものは、
使う季節を選びますね。
季節外れは避けなければなりません。
花が描かれている場合、基本的には、季節を先取りして、
盛りのじきより少し早めにつかいます。
「本物の盛りの花の美しさには敵わないから遠慮する」
という心だそうです。
抹茶茶碗の種類がは、
抹茶茶碗!どんな種類がある?
を参考にしてみてください!
慣れない間は点てやすいお茶碗で
お稽古を重ねている方ならわかると思いますが、
お茶を点てやすいお茶碗、点てにくいお茶碗がありますね。
まずは、大きさ。
大きいものは、片手で持ち切れず、
建水に水をこぼす時、
思わず両手で持ちたくなることがあります。
また、口が小さいものは茶筅の動く範囲が狭くなり、
十分攪拌できないことも。
特に茶だまりと呼ばれる、内底が広くとられていないと、
撹拌が難しいですね。
また、素材も大切。
伊羅保茶碗のような、ザラザラした表面のものは、
茶筅の先が引っかかることがあります。
逆に、磁器のものは、表面がツルツルで
茶筅が滑り、お抹茶とお湯がうまく混ざらないで苦労します。
京焼など、硬く薄い素地の茶碗は、
熱伝導がよく、外側まで熱くなり、
思わず取り落としそうになるという経験ありませんか?
茶碗の特徴は覚えておいて、いざという時は
自分の使いやすいお茶碗を使う方がよいかもしれませんね。
他の道具との取り合わせやバランスも考える
これは、茶碗に限ったことではありませんが、
茶道では他のお道具とのバランスは大切です。
できるだけ、格を揃えた方がよいでしょう。
1点だけ主役の道具を豪華にすることもありますが、
その場合も周囲のものと極端にアンバランスに
ならないように気をつけましょう。
豪華なネクタイなのに、スーツはペラペラ、
シャツもシワシワではバランスが悪いのと同じです。
色合いのバランスも大切。
洋服のコーディネートと同じで難しいところです。
茶碗は、唯一、お客様が手にとって口をつける道具。
他のお道具も考えながら、慎重に選びましょう!
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