お茶碗を桐箱から出したのはいいけれど、
箱に戻しても、紐が結べない・・・という経験。
茶道のお稽古を初めて間もない頃には、
一度は誰もが通る道です。
覚えてしまえば、箱のひもの結び方はとっても簡単。
しかも、しっかり結べる、よくできた結び方なのです。
まずは、箱のことを知ろう
お茶碗などと同様に、木箱には正面があります。
両脇と底に木のつなぎ目があり、
縁取りされているように見える方が正面です。
蓋は、箱書きがある場合は文字の向き、
箱書きの無い場合は、木目が縦になるように、
さらに木目の幅が広い方を右側にします。
紐についても知っておこう
道具類をしまう箱に付属している紐は、
通常丸紐ではなく、平たい紐です。
この紐を「真田紐」といいます。
組紐のように組んだものではなく、
織り上げた紐なので、伸びにくく丈夫。
しっかりと物を縛るのに
適しているのです。
真田紐の名前は、今話題の真田昌幸・幸村親子に由来します。
真田親子とその家族が、
関ヶ原の戦い後に蟄居していた九度山で作製し
「真田の作った強い紐」
と言って行商が売り歩いた事で
その名前がついたと言われています。
さあ、紐を結ぼう!
四方掛け
上から見て正方形に近い形で、
箱の下部の四方に紐穴のある箱に使う結び方を
四方掛けといいます。
お茶碗を入れる箱は、ほとんどこの結び方で対応できます。
①輪となっている部分を左肩にかけます。
ただし、もともと、輪が右肩にかかるようになっている箱もあります。
その場合は、以下の手順を逆向きで行ってください。
②右側から出ている紐をとり、
輪の部分に上からくぐらせて、左手前に引っ張ります。
③次に下から出ている紐を取り、
やはり、輪の部分に上からくぐらせて、右上に引っ張ります。
④2本の紐をしっかり引っ張ります。
右上と左下にしっかり引きます。
⑤蝶結びを作ります。
左手前に来た紐で輪を作り、右向こうに置きます。
今度は、右向こうの紐を上から輪にかぶせてからくぐらせて、
左上に輪ができるようにします。
⑥両方の輪をバランスよく、しっかり引っ張れば、
完成です。
二方掛け(つづら掛け) 紐の結び方
上から見て細長い長方形の箱に使う結び方です。
お茶碗の箱には、ほとんど見られませんが、
例えば、二つでセットになったお茶碗の場合、
それぞれを一度箱に入れたあと、
さらに二つを長方形の外箱に入れる場合などは
二方掛けを使うこともありますので、覚えておきましょう。
①左側に輪があり、右側に紐の先が2本でている状態の向きに
箱を置きます。
(通常、この向きが箱の正面になっているはずですが
逆の場合もあります。)
②左の輪を箱の上におき、
右上の紐を輪の上から通して、右下に出します。
③右下の紐を輪の上から通して、右上に出します。
④2本の紐を箱中心で上下に引っ張って締めます。
⑤蝶結びを作ります。
下の紐を折って、輪を作り、右上におきます。
上の紐を輪の上からかぶせてから、
左上方向へくぐらせてもう1つの輪を作ります。
⑥両方の輪を、バランスよく引っ張って締めます。
慣れが大切
文章で読んで、わかった気になっても、
なかなか実際に結ぶとうまくいかないものです。
とにかく、慣れが大切。
何度も、何度も、練習してみてください。
うちには、真田紐のついた箱などないわという方、
紐も箱もこだわりません。
空き箱にリボンがあれば十分練習できます。
例えば、古い新聞紙や雑誌を縛る時、
紐を四方掛けのようにして、結んでみてはいかがでしょうか?
何事も、回数を重ねることが大切ですよ!
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