茶道のお茶会に招待された時、
たとえ初めてのお茶席でも、基本的な作法を知っていると
緊張に終始することなく楽しむことができます。
ふだんのお稽古ではつくばいを使うことがあまりないので、
いざお茶会となると、作法がわからないと困りますよね。
茶道でのつくばいの方法を見て行きましょう。
つくばいとは?
つくばいは、蹲踞と書きます。
客が茶室に入る前に、這いつくばるように、
手や身を清める場所です。
手と口をすすぐように置かれている手水鉢、
手水を使う時に乗る前石、
周りに敷き詰められている小石の海、
湯桶をおく湯桶石、行灯を置く手燭石、
これらの総称をつくばいといいます。
それぞれの配置の仕方は流派によって違います。
茶道のつくばいの作法
茶会では待合で、亭主の迎付を待ちます。
送付と案内を受けると、正客からつくばいに向かい、
順番に使っていきます。
- 自分の番になったら、蹲踞の前にしゃがんで、
右手で柄杓に手水鉢の水を汲みます。
まずは柄杓半分の水で左手を清め、
柄杓を持ちかえて右手を清めます。
- 柄杓を右手に持ちかえて、水を汲んで
左手に水を受けます。受けた水で口をすすぎます。 - 柄杓に残った水は柄杓を立てて、静かに流して柄を清めます。
- 柄杓があった場所に戻します。
- 自分のハンカチや、置いてあるお手拭きを使って手の水を拭きます。
- 次の人にどうぞ、と礼をします。
露地の中のつくばいの重要性
茶室の外は露地(ろじ)という庭になっています。
その露地の腰掛で亭主の迎え付けを受けて、
つくばいで身を清めてから茶席に入ります。
つまりつくばいは、俗世から離れるという結界でもあるのですね。
露地の苔むした風情はそれを眺めて楽しむことだけでなく、
神聖な茶室へと至る道として、
つくばいは特に重要な意味を持っているのです。
有名なつくばいと言えば・・龍安寺
京都の龍安寺といえば枯山水の石庭があまりに有名ですが、
こちらのつくばいも負けていません。
なにしろ、知足の蹲踞(つくばい)とよばれるこのつくばいは、
水の溜められる四角の水穴を口の字として、
周りに文字が書かれてあります。
吾唯足知(われただたるをしる)とは欲張らず、
今の自分を大切にせよ、足る事を知る人は不平不満が無く、
心豊かな生活を送るということです。
知足の心を図案化したこのつくばいは、
徳川光圀が寄進したものといわれています。
まとめ
さて、つくばいの作法覚えられましたか?
それほど難しいことはなく、理にかなった簡潔な作法ですね。
清める順番は左手→右手→左手で口→右手で柄杓の柄
これだけです。身を清めたら、さあいよいよ茶室に入りましょう。
結界を越えて清浄な空間へ。
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