結婚披露宴などで、フルコースの西洋料理を
頂くことはあっても、
懐石料理をきちんと頂く機会がなくて、
マナーがよくわからない・・
という方、意外と多いんです。
和食が世界遺産登録され、
海外から日本の食生活への注目が集まる中、
私たち日本人が日本の食事のマナーを知らないのは、
とても残念なこと。
マナーを覚えて、懐石料理のお店に
堂々と出かけてみませんか？
懐石料理と会席料理
同じ「かいせき」と発音しますが、
実は意味が異なります。
「懐石」とは正式の茶事で、
お茶の前に提供される料理のこと。
「会席」は、宴会などで提供される
コース形式の日本料理ことです。
一言でいえば、「懐石」はお茶を楽しむために、
「会席」はお酒を楽しむための料理です。
そのため、「懐石」はご飯とお汁が最初に提供されますが、
「会席」ではご飯とお汁は締めに出てきます。
但し、どちらも、お汁（椀物）と刺身、焼き物、煮物が
メニューに含まれる「一汁三菜」が基本になっています。
この一汁三菜の頂き方が、マナーの基本です。
椀物の頂き方
お汁は、蓋の付いた椀で提供されます。
まず、椀を左手で押さえ、右手で蓋を取ります。
椀と蓋がピッタリくっついている時は、
左手で碗を握るようにしてたわませて、
少し空気を入れてから蓋を開きましょう。
無理にはずそうとすると、
落としたり、汁をこぼしたり
と思わぬ失敗を引き起こします。
はずした蓋は右向うに置きます。
椀は、両手で持ち上げ左手でしっかり持ちます。
その後、右手で上から箸を取り、
左手の小指と薬指の間にはさんで
右手で下から箸を持ちなおします。
「大切な食器を両手で取り上げてから箸を持つ」
ことは、和食を頂く上で基本のルールです。
椀物以外でも、この流れで食器を取り上げましょう。
軽く箸で具を押さえてから汁をいただきましょう。
その後は、箸を取り上げた時と逆の流れで、
箸を置いてから、碗を元の場所に戻します。
お刺身の頂き方
日本料理と西洋料理のマナーの大きな違いは、
食器を持ちあげるどうかということです。
食器を持ちあげるのが、日本料理のマナー。
食器を持ちあげることがNGなのが西洋料理のマナーです。
お刺身を頂く際も、醤油をこぼさないように、
堂々と小皿を持ち上げましょう。
左手を小皿の代わりに受けるように使うのは、
マナー違反。
持ちあげられないようなお皿の場合で、
汁や醤油がこぼれそうな時は
懐紙を受け皿の代わりに使いましょう。
煮物・焼物の頂き方
煮物・焼物は、箸で一口で食べられる大きさに
切っていただきます。
歯で噛み切るのはマナー違反です。
箸で切れないような具材は、
予め一口大の大きさに切られていることが
多いのですが、
もし、どうしても箸で切れない場合は、
歯で噛み切らざるをえませんね。
その場合は、懐紙で口元を隠して、
周囲の方が不快にならないような配慮が必要です。
また、残った骨や皮は、お皿の端に、
ひとまとめにして寄せましょう。
ご飯と香の物
ご飯は、和食にとって大切な一品ですね。
香の物とともに提供され、
会席では、留汁も一緒に出てきます。
まず、ご飯を一口いただき、
お米の甘さを味わいましょう。
その後は、留汁、香の物と一緒に味わいます。
懐石料理の際の服装は？
せっかくの機会ですから、和服で出かけたいところ。
もちろん、洋服でも構いませんが、
次のことには気を付けましょう。
懐石料理は、テーブルで頂くものではなく、
本来は、お盆のような「折敷」を畳の上に置いて
頂くものです。
正座すると太ももが露わになってしまうような
ミニスカート
足が締め付けられるタイトなパンツスタイルは
避けましょう。
丈の長めのゆったりした
スカートスタイルがお勧めです。
また、塗物の食器を使うので、当てて傷をつけないように
指輪・時計・ペンダントの類は外しておきましょう。
懐石料理の基本マナーは覚えられましたか？
さあ、日本が誇る懐石料理を楽しみに出かけましょう。
コメント