茶道と禅には深い関わりがあります。
千家の家元になる方は、代々、禅僧について修行をされています。
その禅は、世界中で興味を持つ人が増えており、
Appleの創業者スティーブ・ジョブズも
禅に深い関心を寄せて いたことは知られています。
「座禅」、「禅問答」といった言葉は知っていても、
本来、禅がどんなものかよく知らないという方に
禅がわかる本を3冊ご紹介しましょう。
「禅とは何か」 鈴木大拙
禅の入門書として一番有名なのがこちらの本。
鈴木大拙は、日本の禅文化を海外に広く知らしめた仏教学者。
日本語、英語で、禅に関して何冊もの著作を残しています。
「禅とは何か」は、タイトル通り、禅がどのようなものか
わかりやすい言葉で書かれています。
(そうはいっても、かなり難解ではありますが・・)
初心者にも理解しやすいように、段階を追いながら、
自身の禅経験も交えて、禅の本質が解説されています。
「決定版・よくわかる茶席の禅語」 有馬頼底
お稽古場でも、茶会に出かけても、
床の間に禅語の掛け軸がかかっていることがありますね。
その場で意味がわからなくても、覚えておいて、
後にどのような教えがあるか調べておきたいもの。
そのような時に便利なのが、この「よくわかる茶席の禅語」です。
「喫茶去」「日々是好日」といった、茶道ではなじみ深い言葉から、
「截断紅塵水一渓」といった少し難しい禅語まで
意味や教えを、事例を交えて丁寧に解説されています。
普段から手元においてパラパラと眺めて、
気になる禅語を調べてみるという 使い方がお勧めですよ。
禅語を一つ一つ読み解くことで、禅が目指す方向やその教えが
だんだんと、自分の身に積み上がっていくことを
感じるようになるでしょう。
残念ながらこちらの本は絶版になってしまいましたが、
この本に限らず「茶席の禅語」を扱った本は、
文庫本から「大事典」まで
様々な種類のものが出版されています。
お茶のお稽古を始めたら、本屋やネットで調べて、
自分にあった 1冊を買い求めると、禅と茶道の理解が深まります。
「禅が教えてくれる 美しい人をつくる所作の基本」 枡野 俊明
禅というと「座禅」のイメージ。
厳しい修行が伴うもので、自分たちとは遠い世界のものだと
思っていませんか。
ところが、禅は、その考えを日常生活に取り入れることで、
心身ともに落ち着かせることができるものなのです。
この本は、禅の教えに基き、心身を美しく整える
「所作」の基本を指南した本です。
正しい言葉を使う、
ゴミは正しく捨てる、
朝、5分でいいので掃除する。
といった、具体的な事例を持ち出しながら
心と体を整える美しい「所作」を説明ています。
著者の、升野俊明氏は、禅僧でもあり、庭園デザイナーとしても著名な方 。
本書以外にも、
「ゆるす」という禅の生き方」
「ざわめく心の静め方 ―やすらぎに出合う毎日の習慣―」
など、禅の考えを日常生活に取り入れるコツを説明した著作を
多数発表されています。
自分の心が少しざわついてるな・・と感じた時、
心に響くタイトルの本を手にとって
禅の教えを早速実践してみるのもいいですね。
番外編1 「シンプルに生きる」
日本で禅を学んだフランス人の作家が書いた、
禅の考えに基づいた生き方の指南書。
フランスでベストセラーになった著作の日本語訳ですが、
私たちの日々の生活にも役立ちます。
番外編2「自分を浄化する坐禅入門」
「考えない練習」など、感情のコントロール方法を、
わかりやすい言葉で説明する若手僧侶小池龍之介による
座禅の方法を説明した著作です。
坐り方、手の組み方、呼吸法、など、座禅の方法を、
初心者に向けにわかりやすく説明されています。
気になった本を手に取って
身近なところから禅に触れてみませんか?
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