今でこそ、ユカタ=キモノといった認識を持つ人はまれでしょうが・・
いや、ひょっとして着物に馴染みのない人なら
そういう感覚があるかもしれませんね。
外国人が日本に大挙する現在、あらためて日本の
伝統的な着物について、知識を増やしてみましょう。
知るとテレビや映画で着物を見た時、
あ、これってすごい素敵な着物!
と見る視点が変わって楽しいのです。
着物の種類の見分け方 ①第一礼装
第一礼装は、女性なら打掛・黒留袖・本振袖・喪服
男性なら黒羽二重五つ紋付き・色紋付きになります。
人生の中でも最も重要な儀式に使う着物といってよいと思います。
結婚式やお葬式に使う着物がこれらにあたります。
格式として最高位の着物で、一番目にしやすいともいえます。
- 打掛(うちかけ)
結婚式の花嫁衣装です。 - 黒羽二重五つ紋付き(くろはぶたえいつつもんつき)
モンツキハカマ、とよく聞きませんか?花嫁が白無垢の打掛なら、
花婿の男性はこれです。五つ紋付に羽織・袴になります。
- 留袖(とめそで)
結婚式に出席する親族の既婚女性が着る、
黒の生地で染め抜きの五つ紋です。
- 色紋付(いろもんつき)
染め抜きの五つ紋を付け、花婿も着ます。
女性の色留袖と同格で、黒紋付に順ずる略礼装として用いられます。
色羽二重・紋綸子・縮緬の素材に白・グレー
茶・紺など、無地染めにします。
- 喪服
五つ紋で、黒一色の着物です。
着物の種類の見分け方 ②略礼装(準礼装)
色留袖・訪問着・色無地・江戸小紋のことで、
第一礼装に準ずる格式ある着物で、着る機会も多くあります。
- 色留袖(いろとめそで)
黒以外の生地の裾模様の着物で礼装・準礼装として着ます。
結婚式では親族、茶道では初釜、正式なパーティーなどで使います。
- 訪問着
縫い目にまたがる美しい絵羽模様の着物です。
一つ紋を付け、準礼装として正式な茶道の茶会から
入園・卒業式など幅広く使える着物です。
- お召一つ紋付(おめしひとつもんつき)
男性の着物で広く使われる着物がこれです。
お召し・紬の無地に三つ紋・一つ紋を付けると、
女性の色無地紋付・訪問着と同格です。
結婚式の招待客の場合や、改まった訪問や外出の時に着用します。
- 色無地(いろむじ)
一つ紋を付けることが多く、茶道の茶会でも使われます。
地紋のある生地を黒以外に染めたもので
紋が付いていない色無地は格の下がる外出着になるので注意します。
着物の種類の見分け方 ③外出着
付け下げ・小紋・紬、付け下げ(つけさげ)などで
反物のまま染める着物で、訪問着のように
白の生地を裁断してから染める絵羽模様を略した着物を指します。
縫い目に柄が渡らないので、訪問着より軽い外出着と位置付けられます。
- 紬
さまざまな色で染めた糸で織った先染め織物です。
普段着にあたりますが、最高級の紬で外出着としても使われます。
それでも、結婚式や正式な茶会では用いられません。
着物の生地を見分けるポイント
着物の生地は正絹(しょうけん)、絹でできています。
第一礼装、略礼装などは正絹ですね。
浴衣の生地の素材は主に綿と麻、最近では
ポリエステル素材も増えています。
着物にも、洗えて普段着として使うためにポリエステル素材の
おしゃれ着物がたくさんあります。
しかし、正絹の重量感、質感、色の深み、手触りという点では
ポリエステル着物や浴衣とは全く別レベルで高価です。
つまり格式が高いものなのです。
質の高いものを身に纏うと、気持ちも姿勢もピンと張ります。
着物を見る機会があったら、着物の種類や、生地を観察してみてください。
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