私が着付け教室に通った時に最初に習ったのは、
着物のつくりについて。
つまり洋服のような立体裁断ではなく
平面裁断で作られる着物の畳み方でした。
平面裁断の着物はその構造上、きちんと畳めば箪笥や
衣装ケースに同じ形で何枚も重ねられる優れた性質を持ちます。
普通の着物よりも袖が長くて重い振り袖も、
基本的には畳み方は同じです。
注意すべきはその長い袖!ここさえコツをマスターすれば
大事な振袖を子や孫の世代まで残しておけるのです。
事実、私の娘は母の振袖を仕立て直して七五三に着ました。
子どもの着物は小さくて、たとう紙のサイズに畳むのにコツが。
どの着物も同じ形、同じサイズに畳むことは、
着物を正しく収納保管する基本です。
振袖の畳み方(本畳み)
長着や羽織の正しい畳み方で、
女物、男物、単衣(ひとえ)袷(あわせ)は
この畳み方をします。振袖もこの本畳みをします。
- 衿を左、裾を右にして振袖を広げ、
手前に来る下前(手前側)を脇縫い線で内側に折ります。
- 衽線に沿って、衽を手前に折り返します。
- 衿は内側に折って両角を三角形にして内側へ。
上前と下前の衿と衿先裾が揃うように、
上前を折り返して下前に重ねます。
- 上前の脇縫いを、下前の脇縫い線に重ねます。
同時に両袖も重ねると、ちょうど背縫いで折り畳んだ状態になります。
- 上前側の袖を、袖付け線から身頃の上に折り返します。
- 次に裾を持って身頃を二つ折りにします。
- 肩山と身頃の下を持って、全体を裏に返し、
下前側の袖を身頃の上に折り返します。
YouTubeでわかりやすい動画がありますので、紹介します。
袖だたみ 袖だたみ
簡易的・略式の畳み方です。
着物を広げる場所や時間がない場合などは袖だたみにします。
着物の背を内へ二つに折り、両袖を合わせて、
袖付けのあたりで折り返すやりかたです。
子どもの着物は夜着(よぎ)畳みで
子どもの着物、夜着や、丹前(たんぜん)などのたたみ方です。
- 着物を広げ、下前から、次に上前と両脇を折ります。
- 衿は内側に折り、左袖が上になるように
両袖を前身頃の上に折ります。
- 身丈を二つ折りにします。折る時には折り目が強く
つかないように和紙を軽く巻いたものや真綿などを置きます。 - たけをさらに二つに折ります。
帯の畳み方
簡単に畳むには、普通に3回帯を重ねて折ればいいのです。
ただし、折り目がついてしまったり、
帯の柄や模様を折ってしまうことになることも。
お太鼓になる部分や前帯をわかっていないと
せっかくの帯もだいなしです。
そこで、手先を少し折っておきます。折り目の位置と模様の場所を
調節することができるので便利です。
帯の畳んだ後の輪に、棒を入れておくと折り皺が目立ちません。
子ども用の帯ならラップの芯でも代用になりますよ。
まとめ
振袖の畳み方は着物の畳み方の基本と同じです。
知っておくと襦袢や浴衣にも応用が効きます。
正しく着物を畳めば、数が増えたときもきちんと収納と
保管ができるので、着物の傷みも防ぐことができます。
振袖が初めて着る着物という人も、
是非この機会に着物の畳み方を覚えてくださいね。
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