茶道にオモテ、ウラがあるってよく聞くけど、どう違うの?
と聞かれることがあります。
これから茶道を始めようと思っている人、茶道に興味を持っている人に、
各茶道流派の種類と特徴を紹介しましましょう。
茶道の流派 三千家と分家の種類
千利休の茶の湯を引き継いだ、利休の孫、宗旦から3家にわかれた
表千家、裏千家、武者小路千家を三千家といいます。
主な分家も挙げてみます。
1.表千家(不審庵)
- 表千家流
千宗左が利休の茶道を正統に継ぐものとして始まりました。
- 松尾流
松尾宗二が名古屋で分派しました。
- 江戸千家流(川上家)
川上不白が江戸で開きました。
- 堀内流(長生庵)
堀内仙鶴が表千家流から分かれた流派です。
2.裏千家(今日庵)
3.武者小路千家(官休庵)
宗旦の次男、宗守が官休庵を開きました。
4.分家
- 薮内(やぶのうち)流(燕庵)
武野紹鴎の元で学び、京都に開きました。
- 遠州流
小堀遠州が古田田織部に学び、始めました。
格式のある大名茶道と呼ばれます。
- 宗徧流(山田家)
宗旦の弟子、山田宗徧が開いたものです。
- 石州流
片桐石州が興した武家茶道。江戸時代には大名に広く伝わりました。
- 久田流(半床庵)
利休の甥の久田宗栄が分派しました。
- 三斎流
利休七哲の一人、細川三斎の高弟・一尾伊織が興した武家茶道です。
- 有楽流
信長の弟、織田有楽が開いた格式の高い武家茶道です。
特に有名な三千家・各流派の特徴は
やはり、表、裏、武者小路の三千家が一番メジャーで、
教室も多くあるので初めて茶道をやるには
この三家を比べると選びやすいと思います。
三千家の大きく異なる特徴を絞って挙げると
- 抹茶の点てかた
表千家→あまり泡立てない
裏千家→しっかり泡立て、ふんわりとしている
武者小路千家→あまり泡立てない
- 所作の違い
表千家→畳を左足から6歩で歩く
裏千家→1畳を右足から4歩で歩く
武者小路千家→柱付の足から1畳6歩で歩く
- お辞儀
表千家→両手を八の字につきます。
裏千家→「真」・「行」・「草」の三種類のお辞儀に分かれます。
武者小路千家→左手を前に膝前で軽く合わせて指先を畳に軽くつけます。
- 服紗の違い
表千家→男性は無地の紫、女性は無地の朱色
裏千家→男性は無地の紫、女性は無地の赤色
武者小路千家→男性は無地の紫、女性は無地の朱色
茶道人口が最も多い流派は?
裏千家です。裏千家は茶道専門の学校を設立したり、
レベル別に資格として用いることができるようにもしています。
茶道普及のための教室を各地で積極的に開き、
出版物も断トツに多いのです。
つまり一般的に目にしやすい、入りやすい窓口が多いという点で
裏千家は普及率が高いと言えます。
表千家や武者小路千家はどちらかというと
保守的な色合いが濃いので、
裏千家のように華やかな普及活動はしていません。
ドラマなどで抹茶を点てるシーンが出る時は、
ほとんどが裏千家の作法で行っている印象がありますね。
どの流派でも基本的には利休の茶道が根底にあります
たしかに三千家も、その他の分派もそれぞれの特徴がありますが、
すべては千利休から派生した茶道です。
基本的なことはそれほど変わりません。
時代によって淘汰された流派もありますし、
現在まで残って活動している各流派は
軽く50を越すと言われています。
もし最初に茶道を習おうと思ったら、おそらく自分の通いやすい
教室を選ぶことになるでしょう。
選ぶ基準は正直に言って、流派の違いではよくわからないと思います。
大事なのは先生との相性、月謝、それぞれの教室のカラーが
自分と合うかどうかだと思いますよ。
良い出会いがありますように!
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