茶道に欠かせない炭。炭手前を始めるとその奥の深さに驚きます。
炭が無くてはお茶は点てられません。
炭手前で扱う炭のこと、実はよく知らない
という人も多いかもしれません。
炭あってこその茶道。今一度茶道の炭について見ていきましょう。
茶道の炭の種類
お点前の前に炭をつぎ足し、釜の温度を上げる炭手前。
様々な種類の炭があります。
- 胴炭(どうずみ)
初炭に使う、一番大きい道具炭です。 - 丸管炭(まるくだずみ)
胴炭と同寸の細い炭です。 - 毬打炭(ぎっちょずみ)
丸毬打(まるぎっちょ)は胴炭の長さの半分で、細いものです。
割毬打(わりぎっちょ)丸毬打を縦半分に割った炭です。 - 輪炭(わずみ)
後炭に使い、丸毬打より太めです。 - 枝炭(えだずみ)
導火炭としても使います。胡粉(ごふん)が塗られて白いものがあります。
枝が2本のものと3本のものがあり、各流派によって違いがあります。 - 点炭・添炭(てんずみ)
最初に炉に入れる炭です。
切り口の美しい、菊炭(きくずみ)
と呼ばれる炭が茶会では使われます。
茶の湯炭は、古くから有名なのが
佐倉炭、池田炭、伊予炭など産地です。
原木は主にクヌギ、コナラ、ミズナラで岩手県や栃木県、
愛媛県産が主な産地となっています。
茶道の炭の組み方は
表千家では、割毬打が点前に二つと添炭を置き、
丸毬打を三つを向こう側に並べて置きます。
二列になったそれらの炭の前に、
右側に割毬打を二つと添炭を置きます。
右側に丸管炭二つ重ねて置きます。
胴炭を真ん中に置きます。
2本立て、3本立ての枝炭を丸管炭の間に乗せて置き、
香合を胴炭の左に置きます。
火箸を胴炭と香合との間に置き、釜敷と羽箒を右と左に置きます。
裏千家では組み方が違いますし、
各流派での組み方がそれぞれあります。
詳しく炭の組み方を知りたい方は和美×茶比のサイトの
こちらの記事が参考になりますからご覧になってくださいね。
和美×茶比
炭の組み方を写真でわかりやすく解説!
茶道で使う炭は通販で買えます
茶道に欠かせない炭は茶道用の炭専門店で買うことができます。
炭で重要なことは、
原木となるクヌギの材質の良さ、火付きが良いこと、
炭の香りが上品にただようこと、
切り口が揃って菊の花のような割れ目が美しく整っていること、
こういったことが全て揃うことです。
Amazonや楽天などでも、炉用・風炉用の炭が売られています。
水屋炭、枝炭だけのセット、純国産、などと
価格と用途にあわせて選べます。
炭に特にこだわりたい時には、有名な茶炭の
専門店の通販でも取り寄せ可能です。
中でも有名な池田炭(大阪)は池田市伏尾町の久安寺が
宮中御茶用として献上していました。
文禄4年に豊臣秀吉が久安寺で観月茶会を催したそうです。
形が良く、燃焼性も優れているため、武野紹鴎、
千利休により改良されました。
池田炭が茶の湯炭として歴史がとても古く、
現在でも最高級茶炭として使われています。
炭焼き職人には厳選されたクヌギを、それそれの寸法に焼き上げる
という高水準の技術が必要です。
和歌山の紀州備長炭と池田の茶の湯炭は世界最高峰
と言われています。
炭手前を自宅で稽古するのは難しくてなかなか
手順を覚えることができず、
お稽古では必死になって炭と格闘したものです。
最近ではインテリアとして炭を使ったり、
料理にも使うことがあるので、
これまで以上に炭が身近なものになっています。
アウトドアで炭を使う時、思わず炭手前のように組んで
練習したくなるのは私だけではないでしょう・・
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