何事も初めてのものには不安がつきもの。
茶道なのだからこうしなくてはいけないのでは?
とか茶道だから特に気をつけなくては?
と思いながらも、まわりに聞ける人がいない
ということもあるでしょう。
基本的に茶道だからといって一般社会的なマナーや
作法と変わることはありません。
茶道での作法を学んでおけばどこへ行っても
間違いないともいえます。
今回は基本的なお礼の作法を、茶道の初釜を例にしてみていきます。
茶道の初釜のお礼は当日は避けて必ずします!
新年明けの華やかな初釜の茶事、師匠も弟子も
新たな気持ちで稽古に励もうとしていることでしょう。
お互いに喜びを分かち合う素敵な時間です。
先生はこの初釜の準備に心をくだき、
時間をかけて私たちを迎えてくださったに違いありません。
当然、初釜にはお礼をしなくてはいけません。
茶事の当日は先生は多忙を極め、
お手伝いの方も動いている中でお礼を渡すのは、
空気を読めない恥知らず・・とも言えなくもありません。
できれば前もってお礼と手土産を持って挨拶にいくか、
後日あらためて渡しに行くということになります。
一般的に懐石のある初釜の平均的なお礼の金額は
ひとり当たり5000円から1,2万円とみておいてよいでしょう。
ふだんでもホームパーティに招かれて、手ぶらで
行くことはありませんよね。しかも初釜は正式な茶事です。
茶事で学ぶものはふだんの稽古のそれとは違い、
経験しておくべき重要なものです。
それぞれの社中によって違いますが
通常のお稽古代の1~2カ月分、
あるいはお祝いということで生徒全員の分を
まとめてお渡しすることが多いようです。
会費制の場合もあります
教室や先生のお考えによっては、初釜の会費として○○円、
とあらかじめ決められている場合もあります。
懐石を省略して、濃茶・薄茶のみの初釜も
お教室によってはありますので、金額には差があります。
会費と一緒にお酒や洋菓子などの手土産を渡すこともあります。
お礼は新札でのし袋に入れて
現金をお渡しする時は祝水引ののし袋を使います。
もちろん新札を用意しておきます。お年玉も新札ですよね。
お祝い事、お礼は新札なので、前もって準備しておかなくてはいけません。
のし袋は赤色と金色または銀色の5本か7本の水引が用いられていて、
中央の結び目は「花結び」とよばれる蝶結びになっています。
お礼ののし袋の表書きはどのように書く?
表書きは本来は墨を使って、楷書体で書くのが基本です。
そこまでできない、という時には筆ペンや万年筆でも大丈夫です。
献辞(上書き)は水引中央結び目の上に
「お礼」や「御年賀」と書き、
名前書きは水引中央結び目の下に献辞より
やや小さめにしてフルネーム、または連名で書き入れます。
連名の場合には、名前書きを○○一同にします。
初釜のあとにはお礼状を送ります
これも一般社会的マナーとして当然、
招いていただいたことへの感謝の気持ちを
お礼状にしたためて送ります。
メール一本で済ませてもよい、と思いがちですが
茶事という特別な体験をさせていただいた、
という謙虚な気持ちを丁寧に手書きで書くのです。
一字一句にこころを込めてお礼状を書くことに意義があります。
こういったお礼状を一度書く経験もとても大切です。
お祝いをしてもらったあとにお礼状を手書きで送る人、
きっと相手の印象に残ります。
慣れればメールでは気が済まなくなります。
手書きで書く行為そのものも、自分にとって必ずプラスになることでしょう。
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