茶道のお稽古に通うのは、お菓子が楽しみだから!
という方も、正直大勢いらっしゃることと思います。
茶道では、その美味しいお菓子も、
大きく口を開いてパクパクいただくというわけにはいきません。
茶道の作法に適ったお菓子の食べ方とは、どんなものでしょう?
お菓子はお茶の前にいただく
まず、第一に覚えておくことは、茶道の場合、お菓子は
「お茶を飲む前に食べ終わる」
ということです。
煎茶だと、先にお茶を一服いただいてからお菓子となりますが
抹茶の場合は先にお菓子を食べてしまいます。
因みにイタリア料理の正式なディナーでも、
お菓子は先に食べ、その後、エスプレッソが振舞われます。
比較的苦味が強いお茶の場合は、
お菓子の味もお茶の味も楽しむために、
明確に順番を定めたのかもしれませんね。
お抹茶を苦いと感じる人だと、お菓子を一口、お抹茶一口と
交互に食べたくなるかもしれませんが、
お菓子は先に一気に食べてしまいましょう。
茶道で使われるお菓子の種類
茶道で提供されるお菓子は、きんとん、練り切りといった
日持ちがあまりしない主菓子と、
落雁などの日持ちがする干菓子があります。
正式な茶会では、主菓子はどろりと練った濃茶、
干菓子はさらりとした薄茶と取り合わせられます。
薄茶しか出ない茶会では、主菓子を合わせることが多いようです。
菓子を懐紙にとる
主菓子は、蓋つきの食籠か陶器の皿に
人数分が盛り付けられ一番最初に座る正客に運ばれてきます。
正客からお菓子を取り、次々に皿をまわします。
懐紙を取り出し、束から一枚取り出し上に乗せます。
懐紙を裏返して折り、上に乗せるとよいでしょう。
(ここは、流派によって異なるようです。)
ついで、箸(黒文字といいます)でお菓子をとります。
残ったお菓子がバランスよく配置されるように考えて、
一つ選んでとりましょう。
黒文字の先を懐紙の隅で拭いて、皿の上に戻して
皿ごと次の方に回します。
蓋付の「食籠」という器の場合は、
正客は、蓋をとると裏返して、蓋だけ次の客にまわします。
次客は、蓋を打ち返し表の模様などを拝見した後、
裏返して次に送ります。
最後のお詰めは、蓋の裏側を上にして、
左前方の邪魔にならない場所に置き、
自分のお菓子をとった後、蓋を閉めておきます。
主菓子の食べ方
濃茶の場合は、お菓子が全員に行き渡り、
正客の「ご一緒にいただきましょう」という声掛けを合図に、
一同一緒に食べ始めます。
薄茶の場合は、自分がお菓子をとったら、
すぐに食べ始めて構いません。
菓子は、菓子楊子で食べやすい大きさに切りながら、
一口ずついただきます。
饅頭や餅など、楊子で切りにくい場合は、
手で持っていただいても構いません。
その場合は、懐紙で口元を隠しながらいただくと、
きれいに見えるでしょう。
干菓子の食べ方
干菓子は、塗物の盆に人数分が盛り付けられて
正客に運ばれてきます。
主菓子の場合と同様、順に取り回していきます。
干菓子盆に、黒文字は付けられていませんので、
手を使ってとります。
数種類盛り付けられている場合は、一つずつとりましょう。
干菓子は、自分の分をとったら、すぐに食べ始めて構いません。
煎餅など、一口で口に入らないものは、
懐紙の上で適当な大きさに割りましょう。
懐紙の端を折りたたみ、懐紙の間に挟んで割ると
粉などが飛び散りません。
難しい手順があるように感じますが、手元にとってからは、
自分のペースでお菓子をじっくり味わいましょう!
お菓子の味の余韻が口の中に広がる内に、
お抹茶をいただくのが、美味しく菓子と抹茶のいただく
コツですよ!
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