茶道

にじり口の寸法は?理由とは?

茶道

茶室を出入りに使う小さなにじり口。
お茶を稽古していない人でも、
茶室にはにじり口があるというのはご存知ですよね。

私の知人は、「一度、躙り口を潜ってみたかったの!」といって
お茶会に来てくれたことがあります。

誰にとっても印象に残るにじり口。
実際の寸法はどのくらいなのでしょう?
その小ささの理由はどんなところにあるのでしょうか?

にじり口の寸法

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にじり口とは茶室特有の小さな客の出入り口
のことです。

千利休が、枚方の船着きにあった舟の出入り口からヒントを得て
茶室に小さな出入り口を設けたことが
原点であると言われています。

寸法は、高さが2尺2寸~2尺3寸、
幅2尺~2尺1寸程度が標準です。

凡そ60~70㎝四方で、人一人がやっと潜って入れる
大きさです。

 

にじり口が小さい理由

にじり口が小さいのには理由があります。
これは、日常と非日常を境界を分けるためなのです。

小さな入口は、江戸時代の歌舞伎の小屋にも
見られます。
これは、鼠が出入りするくらいの小さな木戸ということで、
「鼠木戸」と呼ばれていました。

小さな入口を潜り抜けると、
華やかな芝居の空間が広がっている・・

それと同じ効果がにじり口に期待されているのです。

 

にじり口の構造

にじり口には板戸がはまっています。

雨戸のような大きな戸の一部をかきとったような構造になっており
縦板は2枚半に割ってあります。
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「これで完結したわけではない」
「大きく広がる余地がある」
ということを表しているのです。

京都造形芸術大学 中村利則教授は、躙り口を
「おもすびころりん」の穴に例えています。

おむすびが通るだけだった小さな穴が、
最後は人が通れるほどの大きさに広がり、
おじいさんが穴に落ちると、
全く別の世界―鼠の世界が広がっている。

にじり口も、同じように、小さいながらも
大きく広がり、別世界へ誘う境界
なのです。

 

にじり口の入り方

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実際のにじり口は、当然、大きく広がることはありません。
どのように入ればいいのでしょうか。

躙り口の前には「踏み石」という、
少し大きめの平らな石が配置されています。
まず、その石に乗り、かがみましょう。

扇子を横一文字に置いて、敷居に両手をついて
席中の様子を眺めます。

続いて、ぞうりを脱いで、躙り口に頭を潜らせます。
両手を軽く握って畳につけ、
反動をつけて躙って中に入ります。

一度席に入ったら、180度向きを変えて、
にじり口から頭を出し、

草履の裏を合わせて壁にたてかけます。

にじり口を入ったら

身を屈めて、にじり口を入ったら、ぜひ、
境界を越えたことを意識して
日常と非日常の違いを感じましょう。

茶室の造り、床の間や棚・釜の設えなど、
茶室内を一通り見まわして、
その様子を味わいましょう。

にじり口を入った瞬間の景色・・
茶室は、この景色を一番意識して設計されているのです。

にじり口を入っても、すぐに立ち上がらず、
一瞬息をついて茶室を見渡すことが大切です。

それから、扇をもって床の前に進みましょう。

 

にじり口を出る時は

にじり口を出る時も、注意が必要です。

まず、にじり口から頭を出して、壁にたてかけた草履を
踏み石の上に揃えます。

足からにじり口の外に出し、一度、敷居の上に腰かけて
草履をはきます。

その後、頭を打たないように気を付けながら、
頭を潜らせて外に出て、立ち上がります。

この瞬間に、私たちは、にじり口という境界を越えて
日常に帰ってきたことになるのです。

 

 

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