洋服と同様に、着物にもある「アンサンブル」。
SNSなどで、着物のアンサンブルを素敵に着こなすコーディネートが注目されているようです。
とはいえ、着物初心者さんのなかには「アンサンブルってどんな種類の着物?」「どんなお出かけの場に、アンサンブルの着物を着ればいい?」など、さまざまな疑問をお持ちの方がいるかもしれませんね。
今回は、
など、アンサンブル着物を着る際のTPOや、おしゃれな着こなし方など、着物のアンサンブルについて、詳しくご紹介します。
着物のアンサンブルとはどんな意味?
引用元:Instagram-@kimonokenkyujyo
同じ布地で仕立てた着物(長着)と羽織全般を「アンサンブル」または「対(つい)」と呼びます。
同一の柄&品質で作られているのが特徴で、アンサンブルとしてセットで着るのはもちろん、それぞれ別々に着てもOK。
ウールや紬(つむぎ)などで誂えたものが多く、軽い外出着として、カジュアルな場で着るのが一般的です。
着物でアンサンブルを着る時期は?
着物のアンサンブルといえば「お正月に着るもの」というイメージが強い方が多いのでは?
ですが、例えば、ウール仕様のアンサンブル着物なら、初秋~寒さが残る3月下旬位まで、快適に着ることができます。
もちろん、寒冷地にお住まいの方や、寒さを感じやすい方など、お住まいの地域や個人差によっても変わるので、着る時期や時間帯を考慮しながら調整してみてくださいね。
なお、必ずしもセットで着る必要はなく、他の着物(長着)や羽織と組み合わせることも可能です。
羽織を着る時期は、基本的に4月初旬くらいまでが目安ですが、夜間なら、4月を過ぎてもアンサンブルの着物でお出かけしてもよいでしょう。
暖かい日中なら、羽織を外して、ウール着物+ストール、または大判のショールを合わせてみるのもよいですね。
着物のアンサンブルはウールしかないの?
着物のアンサンブルは、ウールに限ったものではありません。
紬(つむぎ)のアンサンブルも人気で、気軽な食事会や、ちょっとしたお出かけに着用することができます。
なかには、絣(かすり)や銘仙(めいせん)、木綿(もめん)などのアンサンブルもありますが、ウールや紬と同様に、カジュアルなお出かけの際におすすめ。
着物のアンサンブルコーディネート
着物のアンサンブルは、羽織と着物が同柄のため、どうしても同じ着こなしパターンに陥りがち。
そんなときは、羽織紐代わりにショールクリップを使ったり、イヤマフやレースを合わせたりするなど、ところどころに洋のテイストを取り入れると、一挙にコーデが垢抜けます。
下の動画は、アンサンブル着物×カジュアル和洋ミックスのコーディネート例。
さまざまなアイテムの活用術を、ぜひお手本にとりいれてみてくださいね。
着物のアンサンブルってダサい?
着物と羽織の取り合わせに悩むことなく、着物初心者さんでも気軽に着ることができるのが、アンサンブルの魅力のひとつ。
しかし、「着物と羽織が同じ柄だと、平凡すぎたり、ダサく見えたりしてしまうかも…」と、不安に思う方がいるかもしれませんね。
そんなときは、デザイン半衿や、遊び心が溢れる帯締めを選んだり、違う柄同志の着物や羽織をあえて合わせてみるなど、ちょっとした変化をつけてみるのがオススメ。
カチューシャやベレーなどを使って、ヘアアレンジを楽しんでみるのもよいでしょう。
着物のアンサンブルの見せ方は、まさにアイディア次第。
あまり無難にまとめすぎず、いろいろなコーデに挑戦することで、新しい着こなし方が見つかるはずです。
着物のアンサンブルの帯の結び方は?
アンサンブル着物の帯の結び方は、手持ちの帯の種類や、羽織の着用時間によって違いがあります。
羽織を長時間着るのなら、背後から見たときのシルエット感を意識した結び方がベター。
例えば、名古屋帯を使って大人っぽく見せるなら、定番のお太鼓結びをアレンジした結び方に挑戦してみましょう。
引用元:Pinterest-日本
ちなみに、上の写真は「ふくら雀」。
羽織を着用した際に背中が高くなるので、後ろ姿がサマになるほか、帯締めなどでアクセントをつけることができます。
もっとカジュアルなイメージにするなら、気軽に結べる半幅帯を。
上の写真は「カラテア結び」ですが、基本形の「文庫結び」、キリっとした雰囲気になる「貝の口」、背中にお花が咲いたような「蝶々結び」などもオススメです。
他に、半幅帯や兵児帯を使った「ダブルリボン結び」なども。
ボリューム感がたっぷりで、羽織を外した際に、注目を浴びること間違いなし。
ぜひ、試してみてくださいね。
ウールのアンサンブル着物リメイク例
着る機会が少なくなったアンサンブルの着物をお持ちなら、リメイクしてみるのも手。
ウールのアンサンブルなら、ロングワンピやチュニックなどはもちろん、ショールや巾着、エコバッグなどの小物類をお揃いで作ることもできます。
ウールのセーターと同じように、お家でおしゃれ着洗いができるのでお手入れもラクラク。
「自分で作ってみるのは時間がかかりそう…」という方は、着物リメイクのお店に相談してみましょう。
ベストやスカート、ポーチやヘアターバンなど、専門店ならではのアイディアで、アンサンブルの着物を素敵に生まれ変わらせてくれますよ。
子供着物のアンサンブル!ウールの着こなし例
引用元:Instagram-@photodiary.a_ai
お正月や七五三、結婚式のお呼ばれなどを除くと、意外に機会が少ないお子さんの着物姿。
ですが、カジュアルなウールのアンサンブル着物なら、なんの予定もない普通の日であっても、気軽に楽しむことができます。
女の子なら、バレッタやリボンを付けたり、ベレーと合わせてもグッド。
足元に、ブーツ系の洋靴を合わせると可愛さがUPします。
男の子なら、タートルを着物の下にインしたり、ダウンベストと組み合わせるなど。
マーチン風ブーツは、カジュアルな着物アンサンブルにぴったり。
こちらは、親子でアンサンブルを着たおしゃれなコーディネート。
羽織と着物をセットにするだけでもコーディネートは完成しますが、小物やスタイリングをちょっと工夫することで、昭和レトロ風、大人カジュアル、フェミニンなどさまざまなスタイルに見せることができます。
大人も子供も、幅広い着こなし方を楽しめるのが、ウールアンサンブルならではの魅力ですね。
着物のアンサンブルは男性もあり?
男性用の着物にも、もちろんアンサンブルの商品は幅広く揃っています。
着物の反物のなかには、着物(長着)と羽織が同時に仕立てられるよう、始めから2反分の長さで販売されているものも。
素材は紬やウールが一般的ですが、コストを重視するなら、仕立て上がり(既製品)から選ぶのもよいでしょう。
「着物の取り合わせに悩まずに済む」というのが、アンサンブル着物を好む男性が多い理由のひとつのようですが、無地系や柄の細かい生地で誂えられた仕様なら、色や素材が違っても比較的合わせやすいはず。
オーソドックスにまとめるだけでなく、着物と羽織を別々に選んで着てみることで、コーディネートの幅を広げることができます。
着物のアンサンブルって安いの?
着物のアンサンブルの価格は、「既製品」「お誂え品」かによって変わるほか、素材によってもまちまち。
例えば、仕立て上がり(既製品)なら、ウール、紬ともに、1万円代(税別)から購入できるものがあります。
対して、お誂え(フルオーダー)なら、7~8万円(税別)はみておいたほうが良いでしょう。
他に、リサイクル着物専門店やフリマサイトなどで、状態が良い着物のアンサンブルを探してみるのもオススメです。
まとめ
同じ布地で仕立てた”着物(長着)”と”羽織”をさす「着物のアンサンブル」。
ウールや紬で誂えられているものが多く、基本の羽織+着物のセットはもちろん、それぞれ単品でも着ることができます。
着物と羽織の取り合わせに悩むことなく、オーソドックスに着こなせるのが、アンサンブル着物のメリットですが、小物を使って和洋MIXコーデを楽しんだり、半幅帯を使って変わり結びに挑戦したりすれば、より個性を出すことができますよ。
カジュアルに楽しめるのが、着物のアンサンブルの魅力。
自由な感性で、さまざまなアレンジコーデを楽しんでみてくださいね。
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