着物の和装下着として欠かせない長襦袢。
防汚対策や防寒対策、重ね着のためのおしゃれなど、着物の着心地やコーディネートを左右する重要なアイテムです。
しかし、長襦袢のサイズが合わないばかりに、着物から長襦袢がはみ出したり、着崩れしやすかったりしては、せっかくの着物姿もだらしない印象に…。
着物の着姿は、ベースとなる長襦袢で決まります。
自分にぴったりなサイズを選ぶことで、着物姿が一層素敵に見えるのはもちろん、着心地もより快適になりますよ。
今回は、
など、長襦袢のサイズの選び方や、正しい測り方についてご紹介します。
長襦袢のサイズ表
長襦袢は、着物(長着)の下に着用する和装下着の一種。
下記に男女別のサイズ表をまとめましたが、長襦袢の既製品(「仕立て上がり」や「プレタ」などとよばれます)は、メーカーによって「1型」や「Sサイズ」など表記が変わるほか、寸法もまちまち。
体型(細身orふくよかな方)によってもサイズが変わりますので、合わせる着物を持参し、お店の方と相談しながら選ぶのが安心です。
男性の長襦袢のサイズ
引用元:Pinterest-日本
長襦袢は、着物を着る「ご自身」と、合わせる「着物」の寸法をもとに選ぶのが一番ですが、対応身長から長襦袢のサイズを割り出す場合は、下記の表を参考にしてください。
【男性用襦袢サイズ】
襦袢の サイズ |
対応身長 | 背から身丈 | 襟巾 | 前巾 | 後巾 | 裄 | 袖丈 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S | 1型 | 161~165 | 132 | 5.3 | 30.5 | 32.5 | 68.5 | 49.5 |
M | 2型 | 165~170 | 136 | 5.3 | 30.5 | 32.5 | 70.5 | 49.5 |
L | 3型 | 171~175 | 141 | 5.3 | 30.5 | 32.5 | 72.5 | 49.5 |
LL | 4型 | 176~180 | 146 | 5.3 | 30.5 | 32.5 | 74.5 | 49.5 |
– | 5型 | 181~185 | 151 | 5.3 | 31 | 34 | 76.5 | 49.5 |
※単位はcm
振袖用長襦袢のサイズ
女性の一般的な長襦袢と、振袖用襦袢のサイズは、下記の表を参考に。
こちらも対応身長別に、おすすめの長襦袢サイズをご紹介しています。
なお、振袖をレンタルする場合、セットに長襦袢が含まれる場合も。
単体でレンタルするケースもあるようですが、長襦袢がレンタルセットに含まれている場合、サイズも合わせて確認しておくと安心です。
【一般的な女性用襦袢サイズ】
襦袢の サイズ |
仕立てる場合の標準参考寸法 | 対応身長 | 襦袢丈 | 前巾 | 後巾 | 裄 | 袖丈 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
身丈 | 裄 | ||||||||
S | 1型 | 123 | 63.5 | 140~150 | 123 | 27 | 30.5 | 63.5 | 48.5 |
M | 2型 | 128 | 65.5 | 155~160 | 128 | 27.5 | 31 | 65.5 | 48.5 |
L | 3型 | 133 | 67.5 | 160~165 | 133 | 27.5 | 31.5 | 67.5 | 48.5 |
LL | 4型 | 138 | 69.5 | 168前後 | 138 | 28 | 32 | 69.5 | 48.5 |
TL | 5型 | 143 | 71.5 | 173前後 | 143 | 28.5 | 32 | 71.5 | 48.5 |
– | 6型 | 123 | 63.5 | 140~150 | 123 | 30 | 31.5 | 64 | 48.5 |
– | 7型 | 128 | 65.5 | 155~160 | 128 | 30.5 | 32 | 66 | 48.5 |
– | 8型 | 133 | 67.5 | 160~165 | 133 | 30.5 | 32.5 | 68 | 48.5 |
※単位はcm、襦袢丈は背から(6~8型は体型がふくよかな方)
【振袖用襦袢サイズ】
襦袢の サイズ |
対応身長 | 身丈 | 前巾 | 後巾 | 裄 | 袖丈 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
S | 1型 | 150 | 120 | 23 | 28.5 | 61 | 113 |
M | 2型 | 155 | 125 | 23.5 | 29 | 62 | 113 |
L | 3型 | 160 | 130 | 23.5 | 29.5 | 64 | 113 |
LL | 4型 | 165 | 135 | 24 | 30 | 66 | 113 |
TL | 5型 | 170 | 140 | 24 | 29.5 | 68 | 113 |
※単位はcm、身丈は背から
長襦袢のサイズの選び方の目安は?
さきほどのサイズ表で、もし迷ったら、ご自身の体型(横幅)で選びましょう。
例えば、身長160㎝の女性が一般的な長襦袢を選ぶ場合、MサイズかLサイズかで迷ったら、細身や標準体型の方は「Mサイズ」、ふくよかな体型の方なら「Lサイズ」がおすすめです。
なお、着物の寸法から選ぶときは、「着丈は着物-3~4㎝程度」、「裄丈は着物-1~2㎝程度」をひとつの目安に。
長襦袢のサイズは身長によって変わる?
引用元:Pinterest-日本
長襦袢は、身長によってサイズが変わります。
既製品(お仕立て上がり)の場合、メーカーによって少々の違いはありますが、身長140~150㎝は「Sサイズ」、身長155~160㎝は「Mサイズ」、身長160~165㎝は「Lサイズ」となります。
長襦袢丈は、「くるぶし」までの長さが標準ですが、もし、既製品のサイズが合わないときは、お店でお直ししてもらうことも可能。
詳しくはお直しの専門店に相談してみましょう。
長襦袢のサイズの計算方法
長襦袢の身丈サイズは、次の計算で割り出します。
「長襦袢の身丈=身長×0.8」または「身長-32㎝」
例えば、身長が160㎝の方なら「128㎝」となります。
細身の方だとやや長くなることがありますが、長襦袢は、着物より多少短くても問題ないので、迷ったら-5㎝くらいまでは短めに調整してもよいでしょう。
【長襦袢のサイズ】※体型によって変わる場合があります
身丈 | 身長×0.8、または身長-32㎝(着丈は着物の-2㎝) |
---|---|
裄(ゆき)の肩幅 | 着物と同じ寸法 |
袖巾・袖丈・袖付 | 着物より約-0.7㎝短め(2分控えの-0.756cm) |
前巾 | 着物より約+3.5㎝長め(8分~1寸) |
後巾 | 着物より約+1.5㎝長め(3分~5分) |
長襦袢のサイズの正しい測り方
引用元:Pinterest-日本
手持ちの着物に合わせた長襦袢をつくる場合は、ご自分の「身長」のほか、その着物の「身丈・袖丈・袖巾・袖付・裄・前巾・後巾」の計8か所のサイズが必要。
対して、ご自身の体型から長襦袢のサイズを割り出す場合は、「身長」「バスト」「ウエスト」「ヒップ」の4か所を計測します。
測る部位 | 測り方 |
---|---|
身長(身丈) | 直立し、首の後ろ中央部の骨(ぐりぐり)から、くるぶしまで |
バスト | 胸の一番高いところを一周測る |
ウエスト | 息を吐きリラックスした状態で、おなかをへこませずに測る |
ヒップ | 腰回りで一番大きいところを一周測る |
裄(ゆき) | 手を垂直にあげ、首の付け根のグリグリから、肩で一度押さえて手首のくるぶしまで。 裄を長めにしたい場合は、手を45度の角度に広げて測る。 左右で寸法が違う場合は、両方を測った寸法の平均を確認する。 |
※測る場所や計測方法は、お店によって異なることがあります
長襦袢をサイズ直しする方法
引用元:Pinterest-日本
手持ちの着物と長襦袢が合わなくても、自分で一時的なサイズ調整をすることは可能ですが、フォーマルなシーンでは、マナー違反となるので不向き。
正装の着物でお出かけする予定がある場合は、余裕をもって、お直しに出しておくのがおすすめです。
長襦袢の主なお直し代と、お仕立て代をまとめました。
最低1枚、自分の体型にジャストフィットする長襦袢をつくっておくと、いざというときに安心ですよ。
【長襦袢の主なお直し・お仕立て代:税別】
お直し | 丈直し | 6,000~13,000円 |
---|---|---|
裄直し | 5,000~8,000円 | |
袖丈出し | 4,400~8,000円 | |
袖丈詰め | 4,400~8,000円 | |
身巾直し | 8,800~12,000円 | |
身丈直し | 8,800~13,000円 | |
身丈直し(裾だけ) | 6,000~8,800円 | |
衿の付け直し | 1,100~6,000円 | |
衣紋抜き付け | 1,000円前後 | |
お仕立て | 長襦袢 | 9,000~25,000円 |
振袖用長襦袢 | 9,000~27,000円 |
長襦袢のサイズが合わない時はどうする?
引用元:Pinterest-日本
最後に、長襦袢のお直しが急に必要になったときの、一時的な対応策をご紹介します。
仮縫いのほか、安全ピンや半衿用の両面テープを使うのもよいでしょう。
両面テープを使う際は、長時間使用すると生地を傷めてしまうことがあるので、着用後はすぐに剥がしてくださいね。
長襦袢が短すぎる場合 | 仮縫いまたは安全ピンで留める |
---|---|
長襦袢の裄丈が長すぎる場合 | 着物の裄丈-1㎝くらいになるように、襦袢の袖の真ん中部分をつまんで縫う。 裄丈が5㎝以上長い場合は、袖+肩口(身頃のほう)も縮める |
長襦袢の着丈が長すぎる場合 | 長襦袢の身八つ口すぐ下の「内揚げ」(布を縫い込んだ部分)部分をつまんで縫う |
まとめ
着物の和装下着の一種である長襦袢は、「首の付け根からくるぶし」までが一般的な長さになります。
長襦袢の身丈サイズは「身長×0.8」または「身長-32㎝」で割り出し、既製品で探すときは、身丈、前巾、後巾、裄(ゆき)、袖丈のサイズをしっかりチェックすることが大切。
もしも、サイズ選びで迷ったら、小さめサイズを選んでおくのがよいでしょう。
お手持ちの着物と長襦袢とのサイズが合わなかったら、一時的に仮縫いや安全ピンなどで留めておく方法もありますが、おでかけの度に直すのは、手間がかかって大変。
フォーマルなお出かけの際に慌てることがないよう、マイサイズの長襦袢を1枚持っておくと安心です。
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