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国宝土偶の5体一覧【画像あり】遮光器土偶は国宝じゃない?

日本文化

国宝土偶の5体一覧【画像あり】遮光器土偶は国宝じゃない?

縄文時代の日本で作られた土人形、土偶。

発見されてからも調査され、現在では多くの土偶が発見されています。

今回はそんな土偶の中でも国宝に指定されている土偶を5体ご紹介します。

画像とともに紹介していきますので、展示されている地域に出かけた時には、ぜひ見に行ってみてくださいね。

国宝土偶・縄文のビーナス【長野県】

引用元:茅野市尖石縄文考古館

長野県の茅野市尖石縄文考古館に展示されている「縄文のビーナス」は、昭和61年9月8日に出土された国宝の土偶です。平成7年6月15日に国宝に指定されました。

頭が平らに作られ、そこに円形の渦巻き文が見られます。そのため、髪型だという説と帽子を被っている説が唱えられています。他の部位には文様などはありません。

ハート型の仮面を被ったような顔に、吊り上がったような目、小さな口と尖った鼻が特徴です。八ヶ岳山麓で堀り出され、縄文時代の遺跡から発見された中では初めての国宝になっています。

国宝土偶・縄文の女神【山形県】

引用元:縄文の女神サイト

山形県にある西ノ前遺跡から出土された、日本最大の土偶が「縄文の女神」です。平成4年8月4日~8月6日にかけて調査し、腰・頭・左足・胴・右足の5つに割れている45cmの土偶が発掘されました。

全体的に赤褐色で顔の部分には何も無く、耳の辺りには飾りを模した穴が空いています。腕はなく、腹の辺りが尖り妊産婦が表現されているのが特徴です。

「これだけ大きい土偶の発見により粘土製の土偶がすべて同じ性格をもつのではなく、土偶に役割分担があることが解明される糸口になる貴重な発見」 引用:縄文の女神

国学院大学の小林達雄名誉教授は、この土偶をこのように評しています。

国宝土偶・中空土偶【函館市】

引用元:函館市公式観光情報

昭和50年に発見された「中空土偶(ちゅうくうどぐう)」は、北海道唯一の国宝に指定されています。現在は函館市縄文文化交流センターにて常に展示されています。

今は函館市になっていますが、南茅部町(みなみかやべちょう)の畑で農作業中の主婦が偶然掘ったものでした。その後、出土の調査などが行われた結果、畑一帯を「著保内野遺跡(ちょぼないのいせき)」として認定しました。

そして、中空土偶には他の土偶には見られない特徴があります。腹部にある妊娠線やふっくらと丸みを帯びたフォルムで女性的な部分があるのに加えて、男性的な髭や眉毛なども混在している特徴的な姿をしています。さらに、内面には部位が壊れても良いとばかりに工夫されていること判明しています。

国宝土偶・仮面の女神【長野県】

引用元:茅野市尖石縄文考古館

平成26年8月21日に国宝に指定された「仮面の女神」は、長野県の茅野市湖東(こひがし)にある中ッ原遺跡で出土されました。

右足が壊れた状態で発見され、さらにその破片が胴体の割れた場所に入っていたことから、この土偶はわざと足を壊して埋めたのではないかと仮説が立てられています。

高さが34cm、重さが2.7kgあり、全身がほぼ揃っている大型土偶としても有名です。

国宝土偶・合掌土偶【青森県】

引用元:八戸市公式サイト

平成9年6月30日に青森県八戸市にある風張1遺跡(かぜはり1いせき)から出土された「合掌土偶(がっしょうどぐう)」は、縄文時代後期後半の土偶です。

その後、平成21年3月19日に文部科学大臣への申請により、合掌土偶1点のみが国宝に指定されました。

座っているような姿で腕組みをしている姿を模した土偶は数多く発見されているものの、合掌土偶のように手を合わせているポーズの土偶は合掌土偶と石神遺跡で発見された土偶だけです。

しかし、完全な形で残っている土偶は少なく、特に合掌土偶は他の土偶よりも精巧に作られています。

遮光器土偶は国宝じゃないの?

引用元:東京国立博物館

縄文時代に作成された土偶の中で、目の部分にゴーグルを付けているような姿を模している土偶が「遮光器土偶(しゃこうきどぐう)」です。

教科書などに載っている一番有名な遮光器土偶は、青森県にある亀ヶ岡遺跡から出土されたものになります。現在は国の重要文化財に指定され、東京国立博物館に納められています。

しかし、教科書に載るほど有名な遮光器土偶ですが、実は国宝ではありません

「皆さんご存知な土偶っていうのは、遮光器土偶ですが、実は、出土状況がよくわからない。要は発掘されたときの様子がよくわからない。国宝土偶はそういった様子もしっかり記録がある。どのような形で見つかったのか記録があるっていうのは、考古学では極めて大事なことですので、その点も(国宝指定の)評価のポイントとなります。」 引用元:BSテレ東-テレビ日経おとなのOFF

明治20年頃に学会に報告されたことはわかっているのですが、しっかりとした出土状況が一切わかっていない遮光器土偶は国宝に指定できません。そのため、国の重要文化財として大事に収蔵されています。

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