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楽器「笙」の読み方&意味|中古の値段や特徴・歴史とは

日本文化

楽器「笙」の読み方&意味|中古の値段や特徴・歴史とは

雅楽を耳にしたことはあるけど、使用楽器は詳しく知らない。

そんな方も多くいるのではないでしょうか?

雅楽器はピアノなどに比べて身近に触れられる機会が少なく、知名度も下がりがちです。

しかし雅楽器の知識を頭に入れておくことで、雅楽鑑賞を倍以上楽しくできますよ。

ということで今回は、雅楽器の代表格「笙」について徹底紹介します。

「笙」という名前の意味や読み方、歴史など詳しく調査しました。

すでに雅楽鑑賞をされている方も、復習で見てみると新たな発見があるかもしれませんね。

笙の吹き方や中古の値段についても紹介しているので、これからお稽古を始めたい方も必見です。

笙の読み方は?

まずは笙の名前について触れていきましょう。

雅楽器での「笙」の読み方は2通り。

音読みでは「しょう」、訓読みでは「しょうのふえ」があります。

一般的によく呼ばれるのは、音読みです。

また「鳳笙(ほうしょう)」という別名もあり、外見が「鳳凰」という鳥が休んでいる姿に似ていることがルーツとなっています。

楽器「笙の笛」とは

他の楽器には見られない不思議な外観とちょっと変わった音色を持つ笙。

なぜ顔が隠れるような構えの造りなのか、笛なのに和音を奏でられるのはなぜかと気になりますよね。

ここからは笙の名前の意味や構造・音色について紹介します。

笙の意味は?

笙という言葉に、意味やルーツはあるのかと気になる方もいるかもしれませんね。

笙という漢字は、「竹」が「生えている」ような形をした楽器という意味合いから作られました。

現代では人名用漢字にも登録されており、「和の心を伝える、伝統的」という意味も持っています。

笙の特徴は?

笙は初心者の方でもすぐに見つけられるほど、特徴的な吹き方と形状をしてます。

1番の特徴は、パイプオルガンを丸めたような形状です。

基本的に雅楽管楽器はフルートのような横笛型かリコーダーのような縦笛型ですが、笙はどちらでもないのです。

また音と音の間に息継ぎがみられない吹き方も、笙だけの奏法です。

笙は吹いても吸っても音が出る造りとなっているため、息継ぎを取らずとも吹き続けることができます。

笙の構造は?

笙は頭と呼ばれるお椀型の部位に、17本の竹管が差し込まれた構造をしています。

17本の竹管の内15本の先端には響銅(さわり)というリードがついており、ここが振動することで音が鳴る仕組みとなっています。

元来は17本すべての竹管にリードがついていましたが、日本の音楽になじまない音程であったため取り外されました。

17本すべての竹管には上記の図ように、一本一本名前が付けられています。

笙の音色の特徴

笙の音色は高音域でありながら、柔らかく澄んで聴きやすいのが特徴的です。

その優美な響きは天から差し込む光に例えられるほど。

古代中国では「万物が生気してくるときの響き」と捉えられていたこともあり、今も昔も神秘的な印象であることがわかります。

また笙は雅楽器の中で唯一和音を奏でられるため、編成に加えることで曲をより色鮮やかに演出してくれます。

笙の歴史とは

笙は日本ではなく、中国や東南アジアの国に起源があります。

中国の神話では女神「女媧(じょか)」によって作られた神聖な楽器として書かれており、古くから人々に親しまれていました。

また女神「女媧」のルーツはタイのミャオ族にあり、笙の原型となった「蘆笙」が残されています。

日本に伝えられたのは1300年~1400年、奈良時代頃です。

他の楽器と共に遣唐使や留学生によって伝えられ、雅楽楽器に追加されることとなりました。

このように長き歴史を持つ楽器の演奏を、現代でも生で聴けるのはとても素晴らしいですね。

笙の値段は?中古・安いとどのくらい?

ピアノなどの楽器と同じく笙も中古のものが販売されています。

しっかりと手入れがされた状態が良いものが多いため、新品は高値で手を出しにくいという方におすすめです。

値段は頭の部分の材質・用いられている竹の種類によって大きく異なります。

下記表に竹の材質ごとの中古価格の相場をまとめました。

竹の種類 中古値段相場
白竹 70,000円~200,000円
煤竹 250,000円~330,000円
煮竹 150,000円~270,000円

またメルカリなどのフリマアプリでも、10,000円から250,000円程度で出品されている場合があります。

笙の吹き方は?

出典元:日本雅楽會公式サイト

笙の独特な構造や音色を知ったところで、「いったいどうやって演奏するのか」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

笙は頭の部分についている吹口から息を吹いたり、吸ったりすることで音を出すことができます。

笙の奏法には息継ぎという概念はなく、吸う・吐くを滑らかに行う「気替え」という奏法が基本となります。

「気替え」を用いることで、笙独自の「音が切れない演奏」を実現しているのです。

また笙は竹管の穴を指でふさぐことで、音を変化させます。

5,6音の音を和音にして吹く「合竹(あいたけ)」を演奏する場合は、和音が切れないよう先に次の和音を2つほど指をずらすなどの技巧が重要です。

笙は湿気に弱く、竹管内に水蒸気が溜まるのを防ぐ必要があります。
演奏の際は電熱器を用意し、適宜本体を温めましょう。

笙と篳篥の違いは?

笙と篳篥は雅楽管楽器という点では同じですが、構造や音色は大きく異なります。

まず構造の点から見ていきましょう。

笙は竹管内部にリードがあり、吸っても吹いても音が出る造りとなっておりハーモニカに似た構造となっています。

対して篳篥は楽器の外にリードが突出している形で、オーボエに近い構造です。

次に音色・役割の違いに着目してみましょう。

篳篥は太くしっかりとした音色をしており、単音で主旋律を担当します。

しかし笙は柔らかな音色をしており、和音で曲を装飾し主旋律を支える役割を持つなど、ここでも大きな違いが見られます。

笙の奏者は?

せっかく笙を鑑賞するのであれば、著名な奏者はピックアップしておきたいですよね。

笙を初めて鑑賞する方でも、鑑賞経験がある方にもおすすめの奏者は宮田まゆみさんです。

宮田まゆみさんは1983年より笙奏者として活動をされており、その演奏は著名な現代作曲家「ジョン・ケージ」にもインスピレーションを与えました。

現在では雅楽演奏グループ「伶楽舎」の音楽監督を務めるなど、さまざまな形で雅楽を広める活動をされています。

その他にも笙奏者と作曲家の両刀で活動される「真鍋尚之さん」や笙芸人「カニササレアヤコさん」のユニークな雅楽ネタもおすすめです。

演奏家によって異なる良さを聴き比べて、お気に入りの演奏家を見つけてみましょう。

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