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茶道のふくさとは?表千家・裏千家の違い&使い方〜ダイソーで買える?

茶道

茶道ふくさ

茶道にとっての必須アイテムは沢山ありますが、大切な道具を綺麗にする「ふくさ」は特に重要なものです。
茶杓、湯杓、釜などと恒にセットである道具でもあります。

かわいい色と柔らかい質感でおもわず触りたくなってしまいますが、きちんとした使い方を知らなければ、ボロボロになってしまいます。

▼この記事に書いてること

今回は意外と知らない「ふくさ」のサイズや号数、使い方などをご紹介し、洗い方や表千家・裏千家での「ふくさの違い」についても、ご紹介していきます。

茶道の道具「ふくさ」とは?

「ふくさ」と聞くと、結婚式のご祝儀や、お葬式での不祝儀を包む「ふくさ」というのもあります。
これは包むお金を汚したり、折り目がつかないように使われています。

しかし茶道の「ふくさ」とは用途も形状も全く異なるものです。
茶道では、道具を清めたり、お湯が入っている釜の蓋を取るときに使います。

茶道のふくさは漢字でどう書く?

普段使われる「ふくさ」と茶道で使われる「ふくさ」の違いは、その用途から漢字にも表れています。

茶道は「服紗・帛紗」と表現するのに対し、その他のふくさは「袱紗」と書きます。
両方とも「紗」という漢字が入っていますが、紗には薄くて目が粗い絹の織物という意味があります。

「服」は身につけるもの、「帛」は絹織物・神聖な布という意味になるので、茶道の用途と漢字の意味が、まさに合っていることが分かります。
大切なお客様をもてなすために、茶人はいつも「服紗」を持っています。

一方で「袱」には「ふろしき」という意味があります。
「袱紗」の始まりは相手に大事なものを渡すとき、汚れないように包むための風呂敷でもあります。

近いものに「ふくさなり」という、柔らかい・ゆったりとしているという意味の言葉があります。
両方の「ふくさ」に共通しているのは相手を気遣う心ですので、本来の目的には共通するものがあります。

しかし茶道では「袱紗」という漢字表記は使わないので、注意をしておきましょう。

茶道の服紗のサイズ・大きさは?

服紗の一般的なサイズは、

サイズ/流派表千家裏千家武者小路千家
たて27.5cm27.5cm30.5cm
よこ28cm28cm30cm

代表的な表千家・裏千家ではサイズの違いはありません。
しかし武者小路千家をはじめとする他の流派では、それぞれサイズが異なります。

一見正方形に見えますが、実は少しだけ横の長さが短くなっています。

このサイズには理由があり、このことは千利休の教えをまとめた、利休百首にも「服紗は縦九寸、横八寸八分」と残されています。

昔は言葉や数字に、特別な力があるとされてきました。
奇数は陽(縁起が良い)、偶数は陰(奇数に準ずる)という法則から、九はとても縁起が良い数字というのが分かります。

そのため服紗にも「九」という数字が使われています。
横のサイズが偶数になっているのは、対となる陰の数字の一番大きい「八」にパワーバランスの意味があるからです。

茶道服紗の号数って何?

服紗は布の厚さによって、種類や規格が分かれています。
5号〜7号〜8号というように、号数が増えるほど布の厚みも増していきます。

一般的な服紗の号数は

  • 5号:18g
  • 7号:25g
  • 8号:30g
  • 9号:33g
  • 10号:35g

というように、少しずつ重みも増えていきます。
号数が大きい、つまり重みがある方が茶道の所作が美しくなりますが、細かい所作が多い場合には、小さい号数の方が使いやすくなります。

特に初心者の方の場合は、小さな号数から始めることをお勧めしますが、折り目がつきやすいので、お稽古後はきちんと畳まれた状態で保存しましょう。

日常で服紗を使うことは、あまり無いかもしれません。
しかし相手を思いやるという心は、どんな時でも大切なものになります。
ふだんの生活から少しだけ、離れて楽しめるのが茶道です。

茶道ふくさの種類

茶道ふくさは用途によって、別の種類のふくさを使います。
ここでは3種類のふくさについて、解説します。

①点前服紗

実際にお客様へ、お茶をお出しする場合に使います。
茶杓を綺麗にしたり、道具を拝見するときなどには客も使用します。

流派や男女の違いで分かれており、裏千家では男子が紫色、女性は赤色を赤色を使用します。
表千家では赤色より薄い、朱色を使用しています。

②出服紗

大勢のお茶会でお茶を運ぶときや、濃茶頂くときに使います。
特に表千家で使うことが多いです。

緞子(どんす)や紹巴(しょうは)という、少し光沢のある、しっかりした布で作られています。

③小帛紗

出服紗と同様に、
緞子(どんす)や紹巴(しょうは)という布で作られています。

こちらは主に、裏千家で使われることが多いです。

茶道のふくさの素材は?

茶道ふくさは光沢のある、ツルツルした布ですが、素材に違いがあります。

正絹と化織の違い

基本的なものは正絹(しょうけん)と呼ばれる、絹100%のもので作られているものになります。

最近は現代らしい人絹(じんけん)という、人工的な合成繊維で作られていることもあります。

人絹の場合は安くて、洗濯もすることができますので、初心者の方でも気軽に使うことができます。

茶道のふくさの織(裂地)の違い

手前ぶくさは無地ものもが多いですが、出服紗や小帛紗には模様が入っているものがあります。

この模様は、これから茶道を続けていく場合にも使いますので、この機会に覚えておきましょう。

①紹巴

「しょうは」と呼びます。

千利休の弟子「今村紹巴」(いまむらしょうは)が名前の由来です。
幾何学模様や花、子供が遊んでる様子が描かれています。

模様に凹凸が無いので、とてもなめらかな手触りになっています。

②緞子

「どんす」と呼びます。

布にする前の「糸」の段階で、色を付けてあります。
とても光沢のある素材で、描かれている模様がはっきりと見れます。

京都の西陣などが、主な産地になります。
今では珍しい素材となっており、ほとんどが茶道で使われています。

③問道

「かんとう」と呼びます。

縞の文様がある布のことです。
たて・よこ・格子の文様があります。

紹巴や緞子と比べて、光沢はありません。

茶道の袱紗の使い方〜どんな時に使うの?

茶道具である以上、正しい使い方や作法があります。

特に点前ふくさには「ふくささばき」という、茶道特有の使い方があります。

茶道の袱紗の折り方やたたみ方は?

袱紗を使わない時には、長方形の状態で保存しておきます。
これはみなさんが最初習ったものと、同じ折り方です。

2回目以降袱紗を畳んだり広げる場合には、前回の折り目が付いているので、それに沿って畳みましょう。

茶道のふくささばきについて

茶道のふくささばきは、最初こそ難しく感じますが、慣れてしまえば、とても簡単に感じます。

見やすいアングルで解説してあります。
▼こちらの動画で練習してみて下さい

茶道の飾り袱紗のやり方は?

茶道のふくさは道具を清める以外にも、お香を置いたり、床の間に飾ったりして使います。

茶道の帛紗が正方形でない理由 | 中川政七商店の読みもの
引用元:中川政七商店の読みもの

流派によって、色や描かれている模様が違うのが面白いです。

結びふくさは茶道でどう作る?

基本のさばき方はありますが、その他にもウグイスや蝉に見立てた、ふくさのさばき方があります。

これは中級者以上のお稽古で習得することができます。
▼見た目が可愛いので、知っておいて損はありません

【Q&A】茶道の袱紗についてよくある質問

実際にふくさを使うとなると、色々な不安が出てきます。

ここでは、茶道初心者の方も気になる素朴な疑問を解説していきます。

茶道の袱紗の値段はどのくらい?

袱紗の値段はピンからキリまであり、最初は迷う方も多いです。

ポリエステルなどの人絹素材であれば、1,000円以下で買うことができます。
初心者や普段のお稽古用に、こういったものを使うと価格を抑えることができます。

正絹(しょうけん)などの、しっかりした素材になると、2,000円〜3,000円という額になってきます。

茶道袱紗は洗濯しても大丈夫?洗い方は?

茶道のお稽古を練習すればするだけ、袱紗も汚れてしまいます。

しかし袱紗は基本的に洗濯機などで洗わず、汚れをたたいたり、抹茶は柔らかいブラシなどで落とすようにしましょう。

といっても、どうしても汚れが気になる場合もあります。
袱紗を洗う場合には、ぬるま湯にハンドソープを溶かして、優しく洗う方もいらっしゃいます。
アイロンをかける時も、上から別の布をかぶせて低温で使用するようにしましょう。

本来は道具を清めるものなので、しっかりと清潔な状態を保つことが「おもてなし」の心になります。

袱紗の包み方〜茶道では使うの?

通常の袱紗と違い、茶道では何かを包むことは基本的に無いですが、棗(なつめ)を包む場合もあります。

これは「包み袱紗」と言って、千利休の奥さんが利休に送ったものです。
現在でも棗を濃茶の時に使用する場合には、袱紗で包むこともあります。

袱紗は茶道用が100均・ダイソーに売ってる?

残念ながら茶道用の袱紗は、ダイソーなどの100均に売っていません。

たまに袱紗らしきものを見ることがありますが、これはご祝儀などを包むもので、茶道用ではありません。

茶道用とは似ていても異なるものなので、きちんと専門のお店で買うようにしましょう。

茶道の袱紗ばさみと袱紗バッグの違いは?

袱紗ばさみと袱紗バッグは同じものを意味します。
使い方は両方とも、袱紗や懐紙・楊枝などを入れてお茶会の時に使います。

袱紗ばさみも売ってはいますが、自分で作ることもできます。

お気に入りの模様や形に合わせることができますので、ぜひ作ってみましょう。

まとめ

茶道ふくさについて、詳しく解説しました。

  • 茶道具と茶道以外のふくさについて
  • 茶道ふくさのサイズや号数とは?
  • よくある質問5選

あまり目立つ存在ではありませんが、ふくさの持つ意味はとても重要になります。

おもてなしの心を表すものなので、これからも丁寧に扱いたいですね。

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