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香合とは?茶道における使い方や種類まとめ

茶道

香合の使い方

茶席の楽しみのひとつに、「香合」があります。

茶席にほんのり漂う、心地よい空間を演出してくれる香りを大切にしまう香合は、拝見の道具としても目を楽しませてくれる重要な茶道具のひとつです。

とはいえ、「いったいどんな種類があるのか?」、「使い方にルールはあるのか?」などがイマイチわからないという人もいるのではないでしょうか?

今回は、香合の種類や選び方、基本的なルールに加えて、茶席以外でのカジュアルな使い方まで、画像を見ながらたっぷりご紹介していきます!

香合とは?

茶道における香合とは、茶室で焚く香を入れておくための、蓋のある小さな入れ物です。

装飾を施したものが一般的で、拝見するお道具に用いられます。

香合は英語で何という?

香合を英語にすると「a incense container(香りの入れ物)」もしくは「a incense case(香りの容器)」と言います。

しかし、近年では茶道具として「Kogo」で通じることが増えてきています。

香合番付!相撲と同じ格付け表になってるの?

引用元:茶道入門

香合には「形物香合相撲番付表」という安政2年(1855)に出版された番付表があります。

染付85種、交趾64種、青磁29種、祥瑞19種、呉須16種、宋胡禄2種の計215種の唐物の香合が、相撲番付と同じように東西に分けられ、形や材質により格付けされています。

香合の使い方まとめ

基本的な使用法として、茶道で香合を使うのは主に炭点前の時です。

香合の中には3つの香が入れてあり、炭を炉や風炉にくべた後に2つだけ取り出し、1つは炭の近くへ、もう1つは少し離して置きます。

拝見は、香が1つ残っている状態で出されます。

なお、あらかじめ香合が床の間に飾ってある場合は、炭点前を行わないというサインです。

香合の拝見問答とは?

普段は拝見のみで問答を行わない場合もありますが、特別な茶席や由緒ある香合が用いられた際は、香合について問答をすることがあります。

これは用意してくれた方に対するマナーの1つで、香合について「伝来」「窯元」「香の名前」「香元」などを尋ねては答えてもらうというやりとりを行います。

香合の季節による違いとは?

風炉の季節は、螺鈿や蒔絵の漆器物や木製のものを選び、炉の季節は陶器や磁器の焼き物を使います。

貝を用いたものや、金属製のものは、季節を問わず使うことができます。

香合の中身が変わる!お香の種類を紹介

香合の種類によって、中に入れる香の種類も変わってくるのでご紹介します。

練香(炉)

引用元:アロマ香房焚屋

陶器の香合には、粉末状にした香木を、蜂蜜や甘草、炭の粉などと混ぜ、練って固形状にした「練香(ねりこう)」という香を入れます。

練香は湿気が高いため、漆器や木製の香合を傷めることがあるので使わないように気を付けましょう。

香木(風炉)

引用元:香源

伽羅(きゃら)・白檀(びゃくだん)、沈香(じんこう)などを1cm四方程度に割り入れた「香木(こうぼく)」と呼ばれる香を入れます。

香合にはどんな種類がある?

香合の木製のもの

主に、5月から10月までの風炉の時期に用いられるのが木製の香合です。

香は、湿度のある練香を入れると、傷んでしまうため、基本的に木製の香木を使用します。

黒柿の香合

引用元:香源

樹齢週百年を超える柿の古木に、まれに現れる黒い文様を利用して作ったものです。

黒柿は木目と滑らかな木肌が美しい木材ですが、一方で扱いが難しいため、加工には職人の技量が試されます。

香合の陶器のもの

引用元:小林漆陶

陶器製の香合は、主に11月から4月の炉の時期に用いられます。

練香を入れるのが一般的です。

香合の貝や金属のもの

引用元:万楽堂

貝を使った香合は、季節問わず用いることが出来ます。

香木・練香どちらも使えますが、内側を汚したり傷めたりしないように、椿の葉などを敷いた上に香を乗せることもあります。

香合の漆のもの

引用元:富樫漆器店

漆塗りの香合に湿気は厳禁なので、基本的に風炉の季節に、香木を用いて使います。

香合の蒔絵

引用元:法輪堂

蒔絵とは漆塗りの代表的な技法で1000年以上もの歴史があります。

器の表面に漆で絵を描き、その漆が固まらないうちに上から金の粉を蒔きつけて模様を出すことから蒔絵といいます。

基本的に漆器と扱い方は同じです。

宋胡録(スンコロク)香合

引用元:古美術ささき

スンコロクとは、タイ中北部・スワンカローク産の古陶磁器の総称です。

日本では、桃山時代から江戸初期に輸入され、茶器として用いられたことが始まりと言われています。

倶利の香合

引用元:鎌倉彫 浩湖堂

倶利(ぐり)は屈輪とも書き、渦紋など曲線がグルグルとまわった紋様が施されているところからそう呼ばれたという説もあります。

唐草のような彫り方が特徴的ですが、独特の文様自体を倶利紋と呼ぶこともあります。

伽藍の香合

引用元:東京国立博物館

伽藍石とは、古い寺院の礎石のことで、風情のあるものとして好まれました。

伽藍香合とは、伽藍石が庭園の踏石などに転用され、人気があったことから伽藍石をかたどって香合の形に取り入れられたものです。

鬼灯の香合

引用元:あんてぃっく壱

夏に赤い実をつける鬼灯を模した香合で、夏の風炉に用いられることが多く、おおきく分けると漆器になります。

鬼灯をモチーフに作ったものから、本物の鬼灯の中身を取り除き、漆を塗り重ねて作られるものあり、非常に風流です。

ねずみの香合

引用元:壺の家

動物は香合のモチーフとしてよく好まれますが、なかでもねずみは、子だくさんなことから「子孫繁栄」、寝ず身にかけた「勤勉勤労」などの意味が込められた縁起のいい動物として愛されています。

米俵や木槌、小判などと組み合わされるとこも多いので、飾り物としても使いやすいでしょう。

香合はヤフオクやメルカリでも買える?

香合は、茶道具屋さんでも取り扱っていますが、数ある中から予算内で探すなら、ネット販売を利用するのが最も都合がよいです。

香合の値段はいくらくらい?

香合の値段は、素材や形、作者によっても大きく異なるため一概には言えませんが、お稽古用であれば新品でも予算1万円以内で購入することができます。

さらに予算をおさえたいなら、ヤフオクやメルカリがおすすめ。

「茶道具 香合」と検索すると、沢山出てきます。

タイミングが良ければ、良いものでも数百円で手に入れることが可能です。

香合のよくある質問Q&A

香合仏とは?十二支香合仏など紹介

引用元:京美仏像

香合仏とは、香合の中に仏像が彫られているもののことを指します。

江戸時代の旅人が懐に入れてお守りとしていたもののことを言い、「懐中仏」や「厄除け香合仏」とも言われています。

特に、自分の生まれた干支の香合仏は、守り神になるとされていたため、干支をモチーフにした十二支香合仏は今も多くの人に人気のモチーフです。

香合の仏具としての使い方とは?

香合は、仏具としても用いられます。

焼香用の刻香を入れておくためのもので、茶道具とは異なり、飾り気の少ないシンプルな作りであることが多いです。

香合はインテリアとしても!飾り方も紹介

引用元:RoomClip

茶道用の香合は、小さいながらも美しさが目をひくアイテムなので、茶席だけでなく、普段の生活にインテリアとして取り入れるのもオススメです。

玄関先やリビングに飾りながら、さりげなく漂う香りを楽しむなんてとってもオシャレ!

さらに、指輪などの小さな小物入れとして使うのもいいですね。

香合わせとはどうやって楽しむものなの?

香合わせとは、複数の香を嗅いで、その香りの名をあてたり、香りの優劣を競ったりする遊び方のひとつで、いまでは香道における聞香に含まれます。

布の香合って何?

引用元:ぶん屋の抽斗

香合には布でできたものもあり、陶器や木製とは異なる趣があります。

香合として、香を入れ、飾ったり、懐に忍ばせたり、箪笥に入れたりとさまざま使うことができます。

近年では、小物入れとしても人気を集めているオシャレなアイテムです。

まとめ

香合は小さい道具でありながら、季節感だけでなく、主人のメッセージも反映される重要なアイテムだということがよくわかりましたよね。

香合に合わせて、使用する香の種類や入れ方が変わるというポイントもおわかりいただけたと思います。

普段のインテリアにも使える香合、まずは1つ、手に入れてみてはどうでしょうか?

 

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