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初心者必見!歌舞伎の演目で有名なもの一覧【あらすじ】

歌舞伎

歌舞伎に興味を持った時、最初に何の演目をみるのかは大変重要です。

もし知識が全くない状態で、何となく難解な演目を選んでしまい、「歌舞伎ってつまらない」となってしまうのは、せっかく興味を持ったのにもったいないですよ。

歌舞伎には4,000以上もの演目があると言われており、聞いたことのある物語だったり、見た事のある場面だったり、もともと馴染みのあるものも多いです。

今回は、初心者向けにテーマを決めて10作品を選んでみました。

など、見てみたい演目を探してみましょう。

歌舞伎の演目で有名なものは?

暫(しばらく)


引用元:Pinterest

あらすじ

悪党の清原武衡が、皇位へつこうと目論むも、加茂次郎義綱ら善良な人たちに反対される。
反対を押し切るため、反対派を捕らえ打ち首にしようとした時、鎌倉権五郎景政が現れ助けるストーリー。

見どころ

定番とも言える、典型的な勧善懲悪物語がわかりやすく人気の演目で、「暫く~」の一声で登場する鎌倉権五郎景政が一番の見どころ。
隈取メイクなど荒事らしい独特の迫力があり、時代物の代表的な演目で、成田屋のお家芸歌舞伎十八番の一つ。

▼18:15頃「暫く~」のの一声がかかります。

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)


引用元:日本芸術文化振興会

あらすじ

源平合戦後も、滅亡したはずの平家の武将たちは実は生きていたというフィクションの物語。
復讐に燃える平家の武将たちに巻き込まれた悲劇が、源義経を中心に描かれています。

見どころ

四段目の「源九郎狐」が出演するケレンと呼ばれる早変りや、欄干渡り、宙乗りなどの演出が特に人気です。
最後は、吉野の千本桜の華やかな明るい舞台で大団円となります。

▼1:54:45頃から始まる千本桜の華やかな舞台は必見です。

連獅子(れんじし)


引用元:朝日新聞

あらすじ

「親獅子が仔獅子を崖から蹴り落とし、谷底から帰って来たものを育てる」という、獅子の子落とし伝説。
その伝説を舞で見せていた狂言師たちに、獅子の精が乗り移り、最後には毛振りなどのはげしい獅子の舞を披露する物語。

見どころ

体よりも大きい毛を振り回す、激しい毛振りの舞に注目です。
連獅子は親子の感動的な成長物語でもあり、歌舞伎界でも実際の親子が連獅子を演じる事も多く、物語と重なって涙する方も多いです。

▼連獅子の見どころ「舞」を是非動画で見て下さい。

歌舞伎で女形の演目といえば?

京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)


引用元:NAVERまとめ

あらすじ

女性が男性を愛するあまりに蛇になり、鐘に隠れた男性を鐘ごと焼き殺したという道成寺伝説。
道成寺の鐘の供養に現れた女性花子が鐘を拝むため、恋にまつわる踊りをし、鐘を所化たちに見せてもらう。
その花子が、実は道成寺伝説の蛇になった女性だったというお話。

見どころ

1時間近く一人の女形が、衣装や傘などの小道具を変えながら舞う、恋の踊りは必見です。
花子役は「二人道明寺」など複数名で演じられる事もあり、二人同時の踊りはより舞台を華やかにします。

▼0:10頃の引抜という早変わりの場面が見どころです。

歌舞伎で面白い演目は?

助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)


引用元:Pinterest

あらすじ

舞台は遊郭の街吉原、花魁揚巻は白髭の意休に言い寄られますが、揚巻には助六という恋人がいるため、全くなびきません。
助六は喧嘩っ早い伊達男、家宝の友切丸(刀)を探すため意休にも喧嘩をふっかけます。
探していた友切丸は意休が持っており、意休を打とうとしたところ揚巻に止められ、助六は花道へ去っていくお話。

見どころ

成田屋のお家芸歌舞伎十八番の1つで、この演目で歌舞伎の面白さにはまったという方が多いです。
江戸で一番の伊達男助六のけんかや、美貌の花魁揚巻の登場など、吉原の街を舞台に、江戸時代の華やかさが味わえます。

▼0:36から登場するのが、いい男の助六です。

歌舞伎で世話物の代表作は?

曽根崎心中(そねざきしんじゅう)


引用元:歌舞伎用語案内

あらすじ

醤油屋の徳兵衛と遊女のお初は、恋愛の仲でしたが、徳兵衛は醤油屋の主人に、無理に別の人との縁談を決められます。
縁談の結納金を友人に貸すも騙され、お金も信用も失い、死ぬ以外で身の潔白を証明する方法はないと考えます。
覚悟を察したお初と一緒に、曽根崎の森へ行き心中をはかります。

見どころ

元禄16(1703)年に実際にあった心中事件を元に作られた世話物(江戸時代にとっての現代劇)で、この後に「心中もの」ブームが起こりました。
見どころは曽根崎の森で二人が亡くなる場面で、「この世のなごり、夜もなごり」という歌舞伎の名文を聴きましょう。

▼人形浄瑠璃版の「曽根崎心中」曾根崎の森で二人が亡くなるシーンを見て下さい。

歌舞伎で時代物の演目といえば?

仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)


引用元:日本芸術文化振興会

あらすじ

元禄14(1701)年、江戸城内で赤穂藩主の浅野内匠頭が旗本の吉良上野介に突然斬りかかる。
吉良は一命を取り留めたが、浅野内匠頭は切腹し赤穂藩は取り潰しになってしまった赤穂事件をきっかけに、残された赤穂藩の家臣達が、その1年後に仇討のため吉良邸に入るまでの物語を描いた演目です。

見どころ

時代物は現代でいう時代劇で、江戸時代より古い時代の武家社会を描いた演目です。
仮名手本忠臣蔵は合計11段あり、一番有名なシーンは物語のきっかけとなった「大序」の、浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかる場面です。

▼七段目1:38:00頃、由良之助が平右衛門に敵討ちへの参加を許す場面があります。

歌舞伎で初心者におすすめの演目は?

勧進帳(かんじんちょう)


引用元:Pinterest

あらすじ

弁慶ともに逃避行をしている源義経は、安宅の関で関守富樫左衛門に取り調べを受ける。
義経一行を怪しんだ富樫は、弁慶に質問をするも必死の受け答えで何とか関所を通過するお話。

見どころ

白紙の勧進帳を読み上げる弁慶の場面は、歌舞伎の中でも特に有名な場面で、勧進帳を初めて見る歌舞伎入門者は必見です。
義経を何とか助けようと、弁慶が義経を打ち、打った事を悔やんで涙する場面は、主君への強い気持ちが感じられ感動します。

▼14:00頃から始まる六方という演技で、弁慶は花道を去ります。

歌舞伎で幽霊・怪談ものの演目は?

東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)


引用元:毎日新聞

あらすじ

お岩は、一緒になった伊右衛門に裏切られ、毒をもられた事で顔が醜く変わってしまいます。
無残な亡くなり方をし、恨みの募ったお岩は何度も亡霊として伊右衛門の元に現れます。
最後には、伊右衛門は切られ、お岩も成仏するというお話。

見どころ

お岩のすべてが見せ場です。
生前の伊右衛門の裏切りを知り、伊右衛門への恨みを込めて髪をとかす場面、亡霊となってからの「提灯抜け」や「仏壇返し」などのケレン、恐ろしく見える工夫に満ちています。

▼13:20頃からお岩の亡霊が登場。映像の古さもあって本当に怖いです。

歌舞伎で早変わりが見られる演目は?

慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)


引用元:イープラス

あらすじ

実際に仙台藩でおこった、家老一派が謀って藩主を隠居させ、跡を継いだ幼い藩主までも毒殺しようとした「伊達騒動」。
伊達騒動に、財産目当てで結婚をされ、殺された累の怨霊とその除霊の物語である「累伝説」を合わせて作られた演目です。

見どころ

別名「伊達の十役」とも言い、妖術使いから、乳母まで性格や性別を超えた10役をなんと1人の役者が演じます。
10役を演じるための早変わりあり、宙乗りありで単純に楽しめる、エンターテイメント性の高い演目で、近年では2012年に市川海老蔵が公演を行いました。

▼1:02:30頃の一瞬の早変わりが見どころです。

まとめ

歌舞伎の演目で有名なもの 暫(しばらく)
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
連獅子(れんじし)
歌舞伎で女形の演目 京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)
歌舞伎で面白い演目 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
歌舞伎で世話物の代表作 曽根崎心中(そねざきしんじゅう)
歌舞伎で時代物の演目 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
歌舞伎で初心者におすすめの演目 勧進帳(かんじんちょう)
歌舞伎で幽霊・怪談ものの演目 東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)
歌舞伎で早変わりが見られる演目 慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)

見てみたい演目は見つかりましたか。

例えば「義経千本桜」を見て気に入ったら、同じく源義経が登場する「勧進帳」を見てみるなど、登場人物で2作目を決めてみるのもよいです。
「勧進帳」を見た後は、演じていた成田屋に注目し、歌舞伎十八番の「暫」を見てみるなど、注目する部分によって歌舞伎の知識はどんどん深まります。

どんどん歌舞伎の世界を広げて、歌舞伎を楽しんで下さいね。

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