愛宕山の落語のあらすじ&オチは?動画まとめ

落語

落語愛宕山のあらすじ&オチ

「愛宕山(あたごやま)」という落語をご存知でしょうか?

「愛宕山」は古典落語の演目で、江戸では桂文楽、古今亭志ん朝、上方では桂米朝、桂枝雀という名人上手たちの名演が有名です。

春山のピクニックを描いた、非常に陽気な雰囲気の落語です。

今回は落語「愛宕山」のあらすじ・オチ・名人・教訓などについても解説します。

陽気で楽しい落語が好きな人には特にオススメです。

「愛宕山」の落語とはどんな内容の演目?

愛宕山は京都市右京区の北西部にある山で、山頂に愛宕神社があり、信仰の山としても有名です。

江戸時代や明治時代には、旦那衆のご機嫌とりやお座敷の場の盛り上げ役として「幇間(ほうかん)」「たいこもち」という芸人・職業が存在していました。

大阪の一八(いっぱち)・茂八(しげはち)という幇間(たいこもち)、京都の旦那のお供で春先の愛宕山へ野駆け(ピクニック)に出かけます。

道中での「大阪には山がないから山登りは大変だろう」という旦那の嫌味や、「京都の人間はしみったれてけつかる」という一八と茂八の陰口に、京都の人間と大阪の人間の違いが出ていて楽しめます。

登山の途中で旦那と幇間が「かわらけ投げ」をするのですが、一八と茂八の投げたかわらけは一つも的に当たりません。

一八と茂八は「大阪の人間はかわらけみたいなしょうもないもん投げまへんで。小判を放ってあそびまっせ」と憎まれ口を叩き、旦那は「そうか、一応使えることがあったらと思って持ってきたんや」と懐から小判を20枚取り出して、小判20枚すべてを谷底へ放り投げてしまいます。

谷底へ落ちた小判をどうしても欲しい一八。茶店で大きな傘を借りてきて、傘を広げて飛び降りてパラシュートのように谷底へ着地しようと考えます。

果たして一八は無事に小判を手に入れることができるのでしょうか?

「愛宕山」の落語のあらすじ

下記は、上方落語の「愛宕山」のあらすじです。

一八(いっぱち)と茂八(しげはち)は大阪ミナミをしくじって京都祇園で働く幇間(ほうかん・たいこもち)。

季節は春、京都の旦那さんが「時候もええので野駆け(山登り・ピクニック)でもしようやないか」と提案し、なじみの芸妓や舞妓・お茶屋の女将らと一緒に愛宕山へ登ることになりました。

道中、山道に慣れていない一八と茂八は山道に難儀します。遅れる幇間二人をみて旦那は「大阪には山がないから山登りは大変だろう」と京都人特有の嫌味を含ませながら二人をからかいます。

一八は「大阪にも山があります」と反論しますが、例に挙げる山が「真田山」「茶臼山」「天保山」という低い山ばかりで「そんなものは地べたのニキビ(デンボ)」とますます馬鹿にされます。

腹が立った一八は「愛宕山なんて高いことおまへん、ケンケンで上がったる」と子どものように大口を叩きます。

旦那は「それならみんなの荷物も持って登ってこい」と弁当などの荷物を全部二人に持たせて、その他の連中と共に先に登っていってしまいました。

大阪でのしくじりを悔やむ一八と茂八。

ぼやきながらも皆の荷物を持って後を追いかけますが、二人とも慣れない山道で疲労困憊、あっさり音をあげてしまいます。

なんとか追いつき、一同が揃ったところで弁当にしようと旦那が提案。

一八は茶店に「かわらけ」がたくさん積まれてあるのに気づき、旦那と「かわらけ投げ」をして遊びます。

「天人の舞い」「お染久松比翼投げ」「獅子の洞入り」など多彩な技で次々にかわらけを的に投げ入れる旦那。

一八も旦那の真似をしてかわらけを投げますが一つも命中しません。

負け惜しみで一八は「大阪の人間はかわらけみたいなしょうむないもん投げまへんで。小判を放って遊ぶ」とまた子どものようなことを言います。

それを聞いた旦那は「使えることがあったらと思って持ってきた」と、懐から小判を20枚取り出して、一八の言う通りに谷底の的めがけて小判を投げ始めます。

20枚の小判をすべて投げ終えた旦那が一言、「これが本当の散財、胸がスッとした」。

谷底に落ちた20枚の小判が気になってしょうがない一八。

「旦那、あの小判はどないなりまんねん。」と旦那に尋ねます。

旦那の返答は「あの小判は放ったんやから、拾った人のものや」。

一八は茶店の婆さんに谷底へ行く方法を尋ねると、かわらけ投げの的を仕替えに行く道があるにはあるが道中に狼が出ることがあり危険だと言います。

諦めかけた一八でしたが、茶店に大きな傘が干してあるのを見つけます。

この大きな傘をパラシュートのように広げて飛び降りれば一瞬で谷底へ降りられるかもしれない。

そう思った一八は傘を借りて崖の上へ戻りましたが、いざ飛ぶ段になると足がすくんでなかなか飛ぶことができません。

見かねた旦那は茂八に「ちょっと背中を突いてやれ」と耳打ちします。

旦那から言われた通りに茂八が一八の背中を突いてやると、一八は傘をパラシュートのようにして見事に谷底へ着地しました。

(傘をパラシュートにして崖から飛び降りるというのは、現実にはあり得ないことですが、落語は想像の芸ですので、非現実的なことでもお客が離れずに噺の世界を楽しんでるならOKです)。

大喜びで20枚の小判を拾い集める一八。

崖の上から旦那が言います。

「その小判はお前のものじゃ~」

「ありがとうございます」と一八。

「一八~、どうやって上がってくるね~ん?狼に食われて死んでしまえ~」

小判を拾うことしか考えていなかった一八は、飛び降りることしか頭になく、登ることを全く考えていませんでした。

小判を手にして途方に暮れる一八。

自身が着ていた長襦袢を裂いて縄を綯い、継ぎ足して長い絹糸の縄を完成させると、その先端に大きな石を結わえ、勢いをつけて谷の斜面に生える大きな竹の上部めがけて投げて、縄を巻きつけることに成功します。

そして力一杯に竹を引っ張り、十分しならせて地面を勢いよく蹴ってジャンプすると、ターザンのように旦那たちが待つ崖の上へ。

「旦さん、ただいま」

「一八、お前はえらい男やな~、上がってきよった。で、小判は?」

「…忘れてきた」

 

「愛宕山」の落語のオチ・サゲ【ネタバレ】

落語「愛宕山」のオチは「…忘れてきた」。

なんとも落語らしいオチですね。

「愛宕山」は数ある落語の中でも有数の見事なオチではないでしょうか。

上述しましたが、落語は想像の芸と言われています。

傘をパラシュートにしたり、竹をしならせて崖の上まで飛び上がるというのは非現実的なことですが、そんな馬鹿馬鹿しいことを笑って楽しむ心の余裕が落語を聞く時には必要です。

桂米朝曰く「落語は催眠術」。

非現実的な設定でも違和感なくお客を楽しますことができるのが名人で、お客が離れるのが二流・三流の噺家なのでしょうね。

「愛宕山」の落語の意味・教訓を解説

落語「愛宕山」に教訓があるとすれば、人間とお金の関係性でしょうか。

お金持ちは遊びで大金を捨てることができますが、貧乏人はお金持ちが捨てたお金を命がけで拾いに行きます。

持つ者と持たざる者、強者と弱者、なんとも切ない話ですが現実はそういうものですね。

落語「愛宕山」の教訓は「お金を大切にしましょう」ということでしょうか。

現実は厳しいですが、落語の世界の登場人物はほとんどが庶民・貧乏人です。

貧しくても逞しく、心優しい笑いの世界が落語の世界なのかもしれません。

落語の「愛宕山」の名人!十八番なのは誰?【動画あり】

それでは落語「愛宕山」の名人を紹介します。

桂文楽の落語「愛宕山」

それでは江戸落語から紹介します。

まずはなんといっても桂文楽です。外せませんね。

一言一句違わぬ、洗練された芸で人々を魅了しました。

桂米朝の落語「愛宕山」

上方落語・中興の祖と言われる桂米朝ので落語「愛宕山」です。

上方落語の賑やかでいて上品な「愛宕山」、是非ご覧ください。

春先の気持ちの良い景色が目の前に広がります。

【動画】落語の「愛宕山」!おすすめの名演を紹介

上述の噺家以外にも名人上手は存在します。

東西の名人の落語「愛宕山」です。

古今亭志ん朝の落語「愛宕山」

古今亭志ん朝は実の兄の金原亭馬生から「愛宕山」を教わりました。

古今亭志ん朝の江戸っ子の切れ味鋭い口調の「愛宕山」は格別です。

桂枝雀の落語「愛宕山」

爆笑王・桂枝雀の「愛宕山」。

師匠の桂米朝とは趣の違う「愛宕山」です。

桂枝雀が生きていたら…そう考える落語ファンは多いでしょう。早逝が惜しまれる噺家の代表格です。

米朝・枝雀の対談「愛宕山」

人間国宝・桂米朝と天才・桂枝雀の師弟対談です。

落語「愛宕山」について語っています。

枝雀の生真面目さや芸に対するストイックさが垣間見折れて非常に興味深い対談内容です。

NHK朝の連続テレビ小説 ちりとてちんの「愛宕山」

先年、他界されました渡瀬恒彦が出演したNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」。

女性落語家の奮闘を描いたドラマで、日本中に落語ブーム、女性噺家ブームが巻き起こりました。

渡瀬恒彦は徒然亭草若役で味のある落語家を演じ、ドラマ内で「愛宕山」を演じました。

京都「愛宕山」の登山風景

実際の「愛宕山」の雰囲気を感じられる動画です。

落語「愛宕山」の登山シーンのイメージとは多少違うかもしれません、参考のために是非ご覧ください。

「愛宕山」の落語の台本!内容をテキストで解説

落語「愛宕山」は元は上方落語です。

江戸では八代目桂文楽が三代目三遊亭円馬から受け継ぎました。

大阪・上方風の演出では、冒頭の野辺を歩くシーンがすこぶる賑やかで華やかで、京都の町を離れ、雲雀(ひばり)が飛びかい、かげろうが燃え、青い麦畑が向こうに見えて、れんげ草やたんぽぽが咲き乱れ、まるで絵巻物を広げたような春景色のなかを、芸者・舞妓・お内儀・幇間(たいこもち)などを連れた旦那の一行が通っていきます。

菜の花に蝶がたわむれ、舞妓に蝶を捕まえてくれと頼まれた幇間(たいこもち)が蝶を追い回すシーンが、上方落語特有のハメモノ(鳴り物入り)を背景にして展開され、お客は頭の中で各々の美しい春景色を想像し楽しみます。

一方、江戸落語の演出では上述の野辺のシーンはカットされ、骨組みのしっかりとした落語に一新されます。

江戸落語と上方落語の聞き比べも面白いですよ。

まとめ

以上、落語「愛宕山」のあらすじやオチ、名人などについて解説しました。

落語には滑稽噺、人情噺、怪談噺、芝居噺などいろいろなジャンルの噺が存在します。

「愛宕山」は滑稽噺に分類されると思いますが、なんといってもオチに見事さが抜群です。

「This is 落語!」というくらい気持ちの良いオチですので、興味のある方は是非「愛宕山」を聞いてみてください。

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この記事を書いた人
晋治

2008年に落語家に入門。現役の落語家。
2020年にWebライター業を開始。
落語家もライターも、話し言葉と書き言葉の違いはありますが、どちらもお客様に喜んで頂ける言葉や表現を模索する作業は共通しています。
ライターとして日々勉強中ですが、読者が求める情報+αの価値提供を目指しています。現役の落語家であることを活かした記事の執筆を考えています。
ライター業は40歳からの新しい挑戦で、かなり遅いスタートではありますが、人間は向上心さえあれば何歳からでも新しいことに挑戦できると信じています。これからも好奇心とチャレンジ精神を忘れずにいろいろなジャンルに挑戦していきたと思っています。
皆様のお役に立てるライターになれるように頑張ります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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