落語・芝浜のあらすじ&オチとは?内容まとめ【動画あり】

落語

落語・芝浜のあらすじ&オチ

落語「芝浜」は年末や大晦日になると東京の寄席で頻繁にかけられる演目で、人情噺の屈指の名作と言われています。

「芝浜」という演目名は一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

  • 落語は長くて難しい
  • 人情噺は退屈そう

そんな風に思っていませんか?

落語「芝浜」は数ある落語の中でも屈指の名作と言われています。落語初心者の方が最初に聞く落語として自信を持っておススメできます。

落語「芝浜」は、お酒ばかり飲んで仕事に行かない亭主が、ある日を境にきっぱりと断酒して真面目に働いて更生していくお話なのですが、更生のきっかけは妻がついた一つの「ウソ」でした。

落語「芝浜」はハッピーエンドの素敵なお話です。是非聞いてみて下さい。

落語の芝浜とはどんな演目

初代三遊亭円朝が三題噺、「酔漢」「財布」「芝浜」から創作したと言う説が有力ですが、「芝浜の三木助」と言われた三代目桂三木助が言うのには、初代三遊亭円朝は「笹飾り」「増上寺の鐘」「革財布」の三つのお題で「芝浜」を創作したと記録に残っています。これも真偽は定かではありません。

三題噺というのはお客から三つのお題をもらい、そのお題三つを噺に入れ込んで即興で噺を創作することをいいます。

落語「芝浜」は、大阪では「夢の革財布」という演目名で演じられ、場所は「住吉の浜」に設定が変更されます。

落語「芝浜」を上方(大阪)に移植したのは落語作家の小佐田定雄(おさださだお)だと言われています。

落語「芝浜」のあらすじ

主人公の熊五郎は腕のいい魚屋なのですが、酒ばかり飲んで働きません。

ある朝、嫌がる熊五郎を女房が無理やり起こして仕事に行かせると、芝の浜で大金(50両)の入った革財布を拾って帰ってきました。

これで当分遊んで暮らせると、熊五郎は友達を集めてどんちゃん騒ぎ。

熊五郎が酔い潰れたところで、女房は長屋の大家に相談に行きます。

そして、この大金(50両)を内緒で奉行所へ届けてしまいます。

翌朝、目をさまして例の財布を出せという熊五郎に、女房は「そんなものは知らない。酔っぱらったお前さんが金欲しさにみた夢だろう」と言います。

熊五郎は家中を探しますが財布はどこにも見あたりません。

酒毒が回り、挙句の果てに財布を拾う夢を見たと言うのか?

落ちるところまで落ちた自分自身の惨めさに茫然とする熊五郎。

女房は熊五郎に財布を拾ったのは夢だと信じ込ませることに成功します。

余程ショックだったのか、その日から熊五郎は心を入れ替えて働き始めます。

それから三年の月日が流れ、熊五郎は禁酒して一生懸命に商売に励んだ結果、立派な店を出すことに成功します。

その大晦日の晩、落とし主が不明ということで奉行所から下げ渡された例の革財布を出した女房は、熊五郎にこれまで騙していたことを誠心誠意、謝ります。

「あたしゃあのときどうしようかと思ったんだよ。だって、おまえさんは、あしたっから商いなんかしないで、酒を飲んで遊んで暮らすっていうじゃないか。こりゃあ困ったことだと、お前さんが酔いつぶれたのを幸いに大家さんに相談に行ったんだよ。すると、大家さんのいうのは、「拾った金なんぞ使えば、熊公の手が後ろへまわっちまう。すぐに俺がお上へ届けてやるから、夢だということにしてごまかせ」ってんだろ。言われた通りに夢だってことにしたら、お前さん、あたしの言うことをすっかり本当だと思って、好きなお酒もやめて商いに精を出してくれるじゃないか。そのおかげで店の一軒も持つことができるようになったんだけど…お前さんが、雪の朝なんぞに買い出しに行くときには、あたしゃそっと手を合わせて、いつもお前さんに謝っていたんだよ。このお金も、落とし主がないからって、かなり前にお上から下がってきたんだけど、これを見せて、お前さんが元の怠け者になっちゃあ大変だと思って、心を鬼にして今まで隠してきたんだよ。でも、もうお店もこれだけになったんだし、お前さんにも少しは楽をしてもらおうと思って、お詫びかたがたこのお金を出したのさ。ねえお前さん、自分の女房に嘘をつかれてさだめし腹が立つだろうねえ、どうか気のすむまであたしをぶっとくれ」

「おうおう待ってくれ。どうして殴るどころの話じゃねえや。あのとき、あの金を持ってりゃあ、俺はまたたくまに使い果たしちまったろう。挙句の果ては乞食に身を落としていたかも知れねえし、また、手が後ろにまわるようなことになってたかも知れねえぜ。それが、こうして気楽に正月を迎えられるのも、みんなおめえのおかげだ。おらあ、あらためて礼をいうぜ」

熊五郎は女房に心から感謝し、女房から差し出された酒に三年ぶりに口をつけようとしましたが、

「よそう、また夢になるといけねえ」

落語の芝浜のオチ

落語「芝浜」のオチは「よそう、また夢になるといけねえ」。

しっかり者の女房と怠け者の亭主の再生を描いた人情噺でありながら、粋な江戸っ子の匂いが漂う誠に見事なオチだといえます。

以前、アルコール依存症患者の人が落語「芝浜」を聞いて感激し自分も酒を断って更生を誓ったという話を聞いたことがあります。アルコール依存症の人は、落語「芝浜」のオチで酒に口をつけないのが非常に共感できるのだそうです。なぜかというと、アルコール依存症の人は、酒を一口でも飲んでしまえばまた同じことの繰り返し、また酒に依存して生きることになる事を知っているのですね。ですから、最後に酒を飲まないことを選択した主人公に感動するのだそうです。

落語の解釈は千差万別で人それぞれ自由に解釈すればいいのですが、大ネタと言われるような演目ほど解釈の選択肢が多い傾向にあります。落語「芝浜」も懐の広い演目と言えるでしょう。

落語の芝浜の教訓とは?

落語「芝浜」の教訓はいくつか考えられますが、

  • 夫婦愛・支えてくれる人間の有難さ。
  • 嘘も方便・嘘をつく方が辛い場合がある。
  • 真面目に働くことの尊さ。
  • 酒はほどほどに。酒は百薬の長であり、命を削るカンナでもある。酒は飲むもので、酒に飲まれてはいけない。

人間は弱い生き物なので、落ちぶれたり道に迷うこともありますが、支えてくれる人間がいるかどうかで更生の可能性はグンと高まります。諦めなければ人生はやり直せる。もちろん、本人の努力が一番大切ですが。

落語の芝浜の名人!十八番なのは誰?【動画あり】

落語「芝浜」の名人と言われているのは一体誰でしょうか?

芝浜はこれまでに数多くの名人上手と言われた噺家が高座にかけてきました。

それでは落語「芝浜」の名人をご紹介しましょう。

古今亭志ん生の落語「芝浜」

古今亭志ん生は滅多に「芝浜」はやらなかったそうですが、やはり名人ですね。味のある語り口に引き込まれます。

古今亭志ん朝の落語「芝浜」

古今亭志ん生の実の息子であり昭和の大名人、古今亭志ん朝の落語「芝浜」です。

古今亭志ん朝の落語を聞いて江戸の風を感じてみてください。とにかく素晴らしいの一言です。

三代目 桂三木助の落語「芝浜」

三代目桂三木助の代名詞にもなった「芝浜」。

独自の演出で「芝浜」を大ネタに育て上げました。現在の「芝浜」の多くは三木助型の「芝浜」です。

三木助は非常に写実的な落語をされていたそうです。

音源のみですが是非聞いてみてください。

この記事は、古今亭志ん生・志ん朝の落語「芝浜」を元にあらすじや考察を書いていますが、三代目桂三木助の落語「芝浜」はガラッと雰囲気や構成が変わります。

  • 三代目桂三木助の「芝浜」は主人公の名前は熊五郎ではなく勝五郎。勝五郎という名前は落語の世界では登場しなかった名前です。拾った財布の中身も50両ではなく、あえて82両や42両という半端にしリアリティを出しています。三木助は芝の浜へ買い出しに行く勝五郎の演出を膨らまし、早朝の芝の浜を写実的に演じています。

現在、「芝浜」を演じる噺家の多くは三代目桂三木助の「芝浜」をルーツにしています。

【動画】落語の芝浜!おすすめの名演を紹介

それでは落語「芝浜」のおすすめ動画を紹介します。

上記の噺家以外にも落語「芝浜」の名演は多数あります。是非聞き比べてみてください。

噺家それぞれの解釈や工夫が感じられて面白いですよ。

立川談志の落語「芝浜」

立川談志の落語「芝浜」は、古今亭の型や桂三木助の演出の流れとも少し違う、よりリアルな「芝浜」になっています。

談志の「芝浜」は女房が可愛いですね。お茶目な談志家元を是非ご覧ください。

五代目三遊亭円楽の落語「芝浜」

五代目三遊亭円楽の最後の演目は「芝浜」だと言われています。

人気テレビ番組「笑点」の司会者のイメージが強いかもしれませんが、五代目三遊亭円楽は人情噺の名人と言われていました。

アニメ昭和元禄落語心中の「芝浜」

アニメ昭和元禄落語心中の「芝浜」です。

落語「芝浜」の一部ですが、アニメで落語が題材になるというのは素晴らしいことですね。

落語の芝浜!台本の内容をテキストで解説

落語「芝浜」には台本は存在するのでしょうか?

元々は初代三遊亭円朝が三題噺として「酔漢(酔っ払い)、芝浜、財布」の三つのお題から創作したと言われています。しかし、円朝全集に「芝浜」が収録されていないことや円朝以前に類似の作品があったことが指摘されており、真偽は定かではありません。現在とは全く違うストーリーであったという説や、元々は人情噺ではなく軽い噺だったという説もあります。

明治時代の口演速記では現在とほぼ同じ人情噺になっていますので、その口演速記が最も古い台本(テキスト)と考えてもいいかもしれません。

まとめ

落語「芝浜」は、怠け者の亭主が献身的な妻のおかげで見事に更生されていくという、誠に気持ちのいい噺です。

大晦日に落語「芝浜」を聞き、真面目に働くことの大切さを再確認し、周りで支えてくれている人へ感謝の気持ちを伝えて新しい年を迎えるというのもいいかもしれませんね。

まだ落語「芝浜」を聞いたことがないという方は是非聞いてみて下さい。

オチを聞き終わった後、ほんの少し優しい気持ちになれますよ。

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この記事を書いた人
晋治

2008年に落語家に入門。現役の落語家。
2020年にWebライター業を開始。
落語家もライターも、話し言葉と書き言葉の違いはありますが、どちらもお客様に喜んで頂ける言葉や表現を模索する作業は共通しています。
ライターとして日々勉強中ですが、読者が求める情報+αの価値提供を目指しています。現役の落語家であることを活かした記事の執筆を考えています。
ライター業は40歳からの新しい挑戦で、かなり遅いスタートではありますが、人間は向上心さえあれば何歳からでも新しいことに挑戦できると信じています。これからも好奇心とチャレンジ精神を忘れずにいろいろなジャンルに挑戦していきたと思っています。
皆様のお役に立てるライターになれるように頑張ります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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