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8月の季語を使った俳句|有名な句10例

俳句

8月の季語の俳句

暑さの中にふと涼しさも感じる8月。夏の終わりの8月は暦上では秋のため、秋の季語が並びます。8月の俳句にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回は8月の季語が使われているおすすめの俳句をご紹介します。

また、小学生・中学生・高校生の課題などで参考にできるように句の意味も解説していきます。

8月の季語

8月7日前後の立秋以降、暦の上では秋になります。お盆の関係の季語や、まだ暑さが残ることを表す「残暑」などの季語が8月の季語にあります。

時候立秋 残暑 処暑 新涼 新涼
天文天の川 星月夜 流れ星 稲妻 秋の風
地理秋出水 盆波 盆荒
人事(生活)花火 盆踊 秋扇 秋思 衣被(きぬかつぎ) 相撲
行事七夕 原爆忌 草市 地蔵盆 角火 大文字 灯籠流し 終戦日
忌日世阿弥忌 西鶴忌 定家忌 一遍忌 道元忌
動物蜻蛉 秋の蛍 秋の蝉 蜩 法師蝉 鶺鴒
植物猫じゃらし 朝顔 芙蓉 木槿 芭蕉
食物西瓜 桃 枝豆 オクラ 小豆

8月の有名な俳句10選

天の川

うつくしや障子の穴の天の川 引用元:達磨庵[たつまあん]-うつくしや 障子の穴の 天の川(小林一茶)干しいも歳時記|熟成干し芋(熟成スイーツ)

作者名小林一茶
出典元(本)七番日記
出版年1813年
季節
季語天の川

病室の障子の穴から覗き見る七夕の星空の美しいことよ、という句です。
障子の穴という一風変わった場所から見えた天の川は一層綺麗だったのではないでしょうか。

荒海や佐渡に横とう天の川 引用元:俳句の教科書-【荒海や佐渡に横とう天の川】俳句の季語や意味・場所(何県)・表現技法・作者など徹底解説!!

作者名松尾芭蕉
出典元(本)おくのほそ道
出版年1702年
季節
季語七夕

日本海越しに佐渡島が見える場所で、荒波の上に大きく天の川がかかっています。壮大な夜の景色を写実的に詠んだ句です。

秋蟬のこゑ澄み透り幾山河 引用元:575筆まか勢-秋の蝉 の俳句

作者名加藤楸邨
出典元(本)寒雷
出版年1940年
季節
季語秋蟬

若山牧水の短歌「幾山河 越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく」を思い起こす句です。いくつの山や川を越えたら寂しさがない国に行けるだろう。その思いを胸に今日も旅をする、という短歌に詠まれた寂しさをこの俳句に取り込んでいます。秋の蝉の声が切なく、心にも染み渡ります。

8月の俳句で小学生におすすめの有名な句は?

蜻蛉

とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 引用元:今月の一句-とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 中村汀女

作者名中村汀女
出典元(本)汀女句集
出版年1944年
季節
季語蜻蛉

足を止めてしばらく休んでいた作者の周りに、いつの間にか蜻蛉の数が増していました。「とどまればあたりにふゆる」とひらがなで表記されていることで、やわらかく秋の風景を描いています。

さらさらと白雲わたる芭蕉かな 引用元:575筆まか勢-芭蕉

作者名正岡子規
出典元(本)新俳句
出版年1898年
季節
季語芭蕉

雄大な葉を持つ芭蕉。その大きな葉の上を白い雲が流れていきます。「さらさら」という音は芭蕉の葉と雲が触れ合う音でしょうか。

8月の俳句で中学生におすすめの有名な句は?

朝顔

朝顔の紺の彼方の月日かな 引用元:竹とんぼ-朝顔の紺の彼方の月日かな  石田波

作者名石田波郷
出典元(本)風切
出版年1943年
季節
季語朝顔

目の前の朝顔を見ていると遥か彼方の月日へ意識がさかのぼっていきます。朝顔は現代では夏のイメージが強いですが、かつては朝顔に秋の訪れを感じていました。

七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ 引用元:俳句の教科書-【七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞・作者など徹底解説!!

作者名橋本多佳子
出典元(本)信濃
出版年1947年
季節
季語七夕

七夕は旧暦7月7日の行事のため、本来は新暦の8月初めの行事でした。洗った髪が乾かぬうちにもすぐに会いに行きたい、それほど心を寄せる人に会いに行きます。織姫と彦星が1年に一度会える日である七夕というシチュエーションがロマンチックです。

8月の俳句で高校生におすすめの有名な句は?

盆踊り

手のひらをかへせばすすむ踊かな 引用元:てのひらをかへせばすすむ踊かな-深秋会

作者名阿波野青畝
出典元(本)紅葉の賀
出版年1962年
季節
季語

踊りとは俳句では盆踊りのことを指します。手のひらを返しながら踊り進む様子が描かれています。

行き過ぎて胸の地蔵会明りかな 引用元:鷲谷七菜子-俳句結社「南風」 編集部ブログ

作者名鷲谷七菜子
出典元(本)花寂び
出版年1977年
季節
季語地蔵会

地蔵会とは新暦で8月23、24日を中心に行われる地蔵菩薩の縁日です。祭りは子どもを中心に行われ、余興が行われます。地蔵会に掲げられた提灯の灯りが、祭りを取りすぎた私の胸元を明るく照らしているという句です。

ねむりても旅の花火の胸にひらく 引用元:今月の一句-ねむりても旅の花火の胸にひらく  大野林火

作者名大野林火
出典元(本)冬雁
出版年1947年
季節
季語花火

旅先で偶然花火を見た作者。眠りにつこうとしても、美しい花火の残像が印象的で離れません。「胸にひらく」としたところが、心に沁みついた花火を上手く表現しています。

まとめ

花火

この記事では8月の季語の俳句を紹介してきました。
夏の終わりから秋にかけての頃のどこか懐かしい景色が8月の俳句に詠まれていましたね。
ぜひみなさんもお気に入りの8月の俳句を見つけてみてください。

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