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俳句の作り方|上手い句のコツ&自由律とは?【中学生・小学生向けも】

俳句

「俳句を作る宿題を出されてしまった」や「俳句を作ってみたい」と思ったなど、俳句を作る機会は意外と多いものです。

言葉を並べて何とか俳句を作ってみるも、下手に思えて発表するのが恥ずかしい。俳句を作るのは、本当に難しいと感じていませんか。

俳句はコツを覚えれば誰でも作る事ができるもの。その時の気持ちや感動をコンパクトに伝えられる、楽しいツールにもなります。

などを学んで、俳句作りを楽しみましょう。

俳句のルール【基本】

俳句の作り方を確認する前に、まずは俳句というものについて基本をおさらいしていきましょう。

5・7・5のリズムで作る

俳句にはルールがあり、五・七・五の十七音で表現されます。五・七・五調がリズミカルで余韻を残しやすく、俳句はリズムを楽しむ表現になります。

中には五・七・五調で制限されない俳句もあり、自由律俳句と呼ばれています。

季語を使う

俳句には、季節を表す言葉である季語を入れるというルールがあります。

一句につき一つ季語を入れるというルールがありますが、季語を入れない無季俳句という表現もあります。

俳句の作り方・コツ|いい俳句を作るには?

いよいよ、俳句の作り方です。

いい俳句を作るためのコツは5つあります。一つずつ学んで俳句を作るコツを習得しましょう。

①テーマ・季語を決める

まずは、どんなテーマの俳句を作るのか、そのテーマを表現するのにどの季節がぴったりなのかを決めます。

例えば、成長する子供のかわいらしさを表現したいとします。

子供は小学校に入学し、体よりも大きなランドセルを背負って登校する様を見てかわいいと思った場合は、テーマは「子供のかわいさ」季節は「春」で季語は「ランドセル」になります。

季語の一例

以下の表は季語の一例です。季語はその年年によって変化をしているもので、現在登録がないものでもこれから登録される可能性があります。

季語は歳時記などによって、知る事ができます。

春|季語 春の山・チューリップ・雪とけて・椿・卒業・蛙・菜の花・春の海・春風・桜・梅・ランドセル
夏|季語 青葉・青蛙・涼しさ・蛍・夏草・五月雨・万緑・花火・夏祭・蝉の声・夏休み・夏至・夏来る
秋|季語 柿・天の川・秋の空・草・名月・赤とんぼ・すすき・秋の暮・小鳥・秋深し・桔梗・月・秋祭・紅葉・秋夕焼・夜長
冬|季語 雪・時雨・枯野・大晦日・雪・寒の月・冬空・冬紅葉・冬の日・寒夕焼・茶の花

②普段の言葉で文章を作る

テーマが決まったら、俳句を作る上でのストーリーを決めます。この時は5・7・5にまとめる事を意識せずに、多少長くても普段使っているようなわかりやすい言葉で物語を作ります。

例えば、息子が春から小学校に入学しピカピカのランドセルを背負って毎日学校へ行っている。ランドセルは息子の体よりも大きく、まるでランドセルが歩いている様に見える様がかわいらしい。

③一番伝えたいことを選ぶ

作った物語の中で、一番伝えたい箇所を選びます。

①のテーマと同じになりますが、先述からの例でいうと「子供のかわいさ」になります。

④5・7・5になるように言葉を考える

②で作った物語の中から③のテーマがしっかり伝わるように物語の中から、言葉を抜き出します。

例えば、先述の例からは「息子」「ランドセル」「小学校」「大きく」「かわいい」などです。

⑤最後に切れ字を使う

「切れ字」というのは、「や」「かな」「けり」などと言った語で、使うだけで俳句らしい表現になる便利な語です。

文末でも文中でも使う事のでき、松尾芭蕉の「古池や」や小林一茶の「子どもかな」など俳諧の有名人も俳句の中で多く使っています。

④で5・7・5でまとめたら、切れ字を入れて俳句は完成です。

例:ランドセル よりも小さき 息子かな

子供の俳句の作り方のポイント&例【年代別】

夏休みの宿題や授業で、子供が俳句を作る機会は多いです。年代別にポイントをおさえていきましょう。

小学生

  1. 季節(季語)を決める
  2. 切れ字を使って俳句っぽさを感じる
  3. 感じた事をストレートに伝える

小学生が俳句を作る時は、目の前に広がる情景をそのまま表現しましょう。

まずどの季節の俳句を作るのかを決めて、感じた事をストレートに表現。切れ字を入れて詠むと、より俳句らしくなります。

▼小学生の俳句の例

ランドセル おろすとひらり 紅葉かな
引用元:第3回 佛教大学小学生俳句大賞結果発表

季語「紅葉」を使い、切れ字で締めた小学生らしいストレートな句です。

晩秋や 影といっしょに 帰る道
引用元:第3回 佛教大学小学生俳句大賞結果発表

擬人化した影の表現が、印象に残ります。

中学生

  1. 季節(季語)を決める
  2. テーマを決める
  3. 切れ字を使って俳句っぽさを感じる

中学生が俳句を作る時は、小学生同様にまずはどの季節の俳句を作るのか決めましょう。

季語が決まったら、その季語にふさわしいテーマを決めていきます。テーマに沿って俳句を組み立て、俳句らしい切れ字も加えます。

▼中学生の俳句の例

夕立や にしき市場に 鮎並ぶ
引用元:龍谷大学第4回青春俳句大賞

「夕立」「鮎」と季語を2度使う事で、より効果的に夏の訪れを感じさせています。

天を指す 三角切りの スイカかな
引用元:龍谷大学第4回青春俳句大賞

夏の空の青さとスイカの緑と赤の色の鮮やかさを感じる句です。

高校生

  1. テーマから決める
  2. テーマに沿った季節(季語)を決める
  3. テーマが伝わるように物語を作る

高校生が俳句を作る時は、まずは自由律俳句の様にテーマから決めます。

テーマが決まったら、そのテーマが伝わりやすい季節を決定。自分のテーマがより伝わるようにしっかり物語作り、5・7・5に流し込みます。

▼高校生の俳句の例

亡き人の 帽子をかぶる 晩夏かな
引用元:龍谷大学第4回青春俳句大賞

夏の終わりの寂しさと、大切な人を失った悲しみが重なり合う句です。

秋草に ならなく訳を はなそうか
引用元:龍谷大学第4回青春俳句大賞

思春期の物悲しさを、同じく悲しそうな秋草にならわかってもらえるという思いを詠いました。

自由律の俳句とは?作り方のポイント

自由律俳句とは、定型俳句を作る際の五・七・五の十七音や季語や入れるというルールに制限されずに作られる俳句の事。

ルールに縛られない分、感情や気持ちをストレートに表現できる俳句の型になります。自由律俳句の俳人では、種田山頭火や尾崎放哉が有名です。

咳を しても 一人(尾崎放哉)

孤独を表す句として、たびたび現在でもネットでも見かけるほど知名度が高い句です。

俳句の定型5・7・5を無視した事で、強く余韻を残すような俳句になっています。

分け入つても 分け入つても 青い山(種田山頭火)

自由律俳句の作り方のポイントは、リズム感を大切にする事。同じ内容を重ねる事で、句の中にリズム感が生まれます。

俳句の作り方まとめ

俳句の作り方についての知識は深まりましたか。

俳句には、季語を使い5・7・5のリズムで作るというルールがあります。

俳句を作るには、最初から完成形を目指さずに、まずは表現したい俳句のテーマを決めて、わかりやすい言葉で文章化する事がポイント。

作った文章の中から伝えたい事を選んで5・7・5に形を整えて、切れ字を入れるというのもポイントですね。

どんな物事も経験を積めば自然と上手くなるもの、コツをつかんでたくさん俳句を詠んで、もっと俳句作りを楽しんで下さいね。

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