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9月の季語を使った俳句|有名な句10例

俳句

9月の季語の俳句

気候がすっかり秋らしくなる9月。「秋思」「彼岸花」など、なんとなく寂しさをまとった季語が並びます。
そんな9月の有名な俳句にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回は9月の季語が使われているおすすめの俳句をご紹介します。

また、小学生・中学生・高校生の課題などで参考にできるように句の意味も解説していきます。

9月の季語

虫の声や芒(すすき)、梨などの季語から秋の盛りを感じられます。

時候仲秋 白露 秋麗(あきうらら・しゅうれい) 爽やか
天文台風 露 月 十六夜 宵闇
地理不知火 花野 水澄む 落とし水 高潮
人事(生活)竹伐る(たけきる) 灯火親し 豆引く 秋場所 障子貼る 秋思
行事敬老の日 豊国神社祭 吉野祭 十字架祭
忌日鬼城忌 子規忌 賢治忌 素十忌 素堂忌
動物鯊(はぜ) 落鮎 初鮭 蓑虫鳴く 蚯蚓鳴く 虫時雨
植物竹の春 白粉花 鶏頭 芒(すすき) 彼岸花 コスモス
食物玉蜀黍(とうもろこし) 葡萄 梨 秋茄子

9月の有名な俳句10選

鶏頭

鶏頭が立往生をしたりけり 引用元:俳句の教科書-【9月の有名俳句 20選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

作者名小林一茶
出典元(本)七番日記
出版年1813年
季節
季語鶏頭

8月から10月にかけて鶏のとさかのような花を咲かせる鶏頭。立ち枯れた鶏頭になんとなく物悲しい気持ちになる句です。

万の翅見えて来るなり虫の闇 引用元:無料まんが・試し読みが豊富!ebookjapan|まんが(漫画)・電子書籍をお得に買うなら、無料で読むならebookjapan-最新刊】句集 萬の翅 | 高野ムツオ

作者名高野ムツオ
出典元(本)萬の翅
出版年2014年
季節
季語虫の闇

夜の静かな闇に虫の翅の音が響いています。作者はその翅音から、「万の翅」が見えてきたと言います。見えざるものへの視覚を表現した句です。

紫陽花に秋冷(しゅうれい)いたる信濃かな 引用元:俳人杉田久女(考) ~紫陽花の句~ (12) – 日々の暮らしに輝きを!

作者名杉田久女
出典元(本)杉田久女句集
出版年1969年
季節
季語秋冷

作者が信州で詠んだ句。普通は梅雨の頃に咲く紫陽花ですが、夏の短い信州では紫陽花が枯れずに長く保つそうです。秋冷とは、冬に向かって冷え冷えとしてくる様子を表します。

9月の俳句で小学生におすすめの有名な句は?

コスモス

コスモスの花ゆれて来て唇に 引用元:和歌と俳句-星野立子

作者名星野立子
出典元(本)続 立子句集 第一
出版年1947年
季節
季語コスモス

コスモスの香りを嗅ごうと顔を近づけたら風に煽られた花に口づけをしてしまった、という可愛らしい句です。秋のうららかな雰囲気をまとった美しい情景が目に浮かびます。

旅の日のいつまで暑き彼岸花 引用元:575筆まか勢-曼珠沙華 の俳句

作者名臼田亞浪
出典元(本)定本亜浪句集
出版年1949年
季節
季語彼岸花

秋の彼岸の頃に咲く彼岸花。お墓に埋められた遺体をモグラなどに掘り返されないように、球根に毒のある彼岸花が埋められたといわれています。暑い日、歩き通しの旅。作者は「いつまで暑いのか」と話しかけるように道端の彼岸花に目をやりました。

9月の俳句で中学生におすすめの有名な句は?

すすき

をりとりてはらりとおもきすすきかな 引用元:俳句の教科書-【おりとりてはらりとおもきすすきかな】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞文・作者など徹底解説!!

作者名飯田蛇笏
出典元(本)山廬集
出版年1932年
季節
季語すすき

すすきを折ると軽そうに見えた穂に重さを感じたという意味の句です。
「はらり」と「おもき」という反対の言葉が、作者がすすきの重さを意外に感じたことをよく捉えています。

野分の夜書読む心定まらず 引用元:正岡子規の俳句朗読(高浜虚子編『子規句集』より 2)

作者名正岡子規
出典元(本)子規句集
出版年1909年
季節
季語野分(のわき)

野分とは、野の草を吹き分ける嵐のような秋の強風で、台風を指すこともあります。
台風の夜に家がガタガタ揺れて読書に集中できないという句です。

9月の俳句で高校生におすすめの有名な句は?

月

月天心貧しき町を通りけり 引用元:Weblio古語辞典-つきてんしんの意味 – 古文辞書

作者名与謝蕪村
出典元(本)蕪村句集
出版年1784年
季節
季語

寝静まった小さな家が並ぶ貧しい街を月が煌々と照らしている様が詠まれています。
「月天心」は中国宋の邵康節(しようこうせつ)の詩の一節「月天心に到(いた)る処(ところ)」(『清夜吟))からとったもので、句に奥行きを与えています。

燈火親し声かけて子の部屋に入る 引用元:俳句季語一覧ナビ-季語/燈火親しむ(とうかしたしむ)を使った俳句

作者名細川加賀
出典元(本)生身魂
出版年1980年
季節
季語燈火親し

遅くまで勉強をしている子の様子を見に行ったのか、部屋に入って声をかけています。
燈火親しとは秋の夜長で夜遅くまで読書や団らんをすることです。

断崖をもつて果てたる花野かな 引用元:ふらんす堂オンラインショップ-片山由美子句集『香雨』(こうう)

作者名片山由美子
出典元(本)香雨
出版年2012年
季節
季語花野

花野とは、秋の草花が咲き乱れる野原。冬になって枯れる一歩手前の華やかさはどこか寂しさを感じます。この句では、岬にある花の野原の果ては断崖だった、という少しぎょっとする景色を詠んでいます。風景描写だけでなく作者の心情も滲み出ている句です。

まとめ

曼珠沙華

この記事では9月の季語の俳句を紹介してきました。すっかり秋めいた9月の俳句にはどこかひそやかな、落ち着いた風情が漂っています。
みなさんもお気に入りの9月の俳句を見つけてみてくださいね。

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