PR

3月の季語を使った俳句|有名な句10例

俳句

3月の季語の俳句

暖かくなり、外出する楽しみが増える3月。3月の季語にも春の訪れを喜ぶ言葉があふれます。また、卒業式や試験など、学業の節目になる季語も。

そんな3月の俳句にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回は3月の季語が使われているおすすめの俳句をご紹介します。

また、小学生・中学生・高校生の課題などで参考にできるように句の意味も解説していきます。

3月の季語

3月には20日頃に春分の日や、春分の日を中日とする7日間で彼岸といった行事があります。暦で言うと3月は仲春と呼ばれ、春を三つに分けたうちの真ん中に位置します。

時候啓蟄 春の宵 暖か 彼岸 春暁
天文斑雪 雪の果 陽炎 霞 春夕焼
地理雪しろ 雪解 春泥 水温む 残雪 山笑う
人事(生活)摘草 北窓開く 花粉症 入学試験
行事雛祭 曲水 涅槃会 お水取り 卒業式
忌日小町忌 空海忌 蓮如忌 西行忌
動物蛤 蜆 鳥雲に入る 燕 蝶
植物蓬 芹 椿 茎立 蒲公英 土筆
食物目刺 白子干 海苔 鶯餅

3月の有名な俳句10選

ひな人形

仕(つかまつ)る手に笛もなし古雛(ふるひいな) 引用元:大呂俳句会-仕る手に笛もなし古雛  松本たかし

作者名松本たかし
出典元(本)松本たかし句集
出版年1956年
季節
季語

3月3日にひな人形を飾って、女の子の成長を願うひな祭り。年代もののひな人形から本来あるべき五人囃子の笛がなくなってしまいました。笛がなくても笛を持つ手をしたままのひな人形の姿を詠んだ句です。

ゆらぎ見ゆ百の椿が三百に 引用元:季語と歳時記-椿(つばき)三春

作者名高浜虚子
出典元(本)七百五十句
出版年1964年
季節
季語椿

大きな椿の木に風が当たり、椿の花が揺れて百あった椿が三百あるように見えたという句です。亡くなった日が「椿寿忌」と呼ばれるほど高浜虚子は椿の花が好きで、椿の俳句をよく詠んでいました。

ひとつ足す窓辺の木椅子水温む 引用元:俳句大学-みずぬるむ「水温む(春)地理」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】

作者名日下野由季
出典元(本)馥郁
出版年2018年
季節
季語水温む

水温むとは春になって水の温度が上昇すること。それに伴って、水に棲む生き物も活発になってきます。あたたかい窓辺に木の椅子が一つ加わったということは、家族が一人増えたのでしょうか。水温むという言葉の明るさと相まって、希望を感じる句になっています。

3月の俳句で小学生におすすめの有名な句は?

桜の堤防

卒業の兄と来てゐる堤かな 引用元:俳句の聖地「愛媛・松山」吟行ナビえひめ-愛媛の句碑めぐり575

作者名芝不器男
出典元(本)新編芝不器男句集
出版年昭和3年
季節
季語卒業

学校を卒業する兄と堤防に来ている作者。自然と、思い入れのある堤防を思い起こして想像してしまいます。

三月の声のかかりしあかるさよ 引用元:【3月の有名俳句 20選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

作者名富安風生
出典元(本)米寿前
出版年1971年
季節
季語三月

「三月」と声がかかっただけで周囲が明るんだ気がする、という句です。実際に暖かくなった訳ではなくても、3月は春が近づいている気がしてワクワクしますよね。

3月の俳句で中学生におすすめの有名な句は?

夕桜

夕ざくらけふも昔に成にけり 引用元:小林一茶の俳句 100選 -春夏秋冬- | ジャパノート -日本の文化と伝統を伝えるブログ-

作者名小林一茶
出典元(本)七番日記
出版年1813年
季節
季語夕桜

夕暮れ時の桜をながめていると今日のことも昔のように感じられるようだという句です。春の憂いに満ちた雰囲気が投影されていますね。

毎年よ彼岸の入りに寒いのは 引用元:俳句の教科書-【毎年よ彼岸の入りに寒いのは】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞文・作者など徹底解説!!

作者名正岡子規
出典元(本)寒山落木
出版年1896年
季節
季語彼岸

正岡子規の母のセリフをそのまま一句に仕立てた句です。何気ないセリフがちょうど五七五になっていたので句にしたそうです。

3月の俳句で高校生におすすめの有名な句は?

菫

山路来て何やらゆかし菫(すみれ)草 引用元:芭蕉と伊賀-芭蕉作品集 春の季語を持つ句

作者名松尾芭蕉
出典元(本)野ざらし紀行
出版年1684年
季節
季語菫草

春の山道を歩いてきたら、菫の花を見つけました。なんとも言えず、その菫の花に心ひかれたよ、という句です。体言止めを使い「菫草」を最後に持ってくることで、印象を強くする効果が得られます。

雪どけの音聞いて居る朝寝哉 引用元:【3月の有名俳句 20選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

作者名高井几董
出典元(本)晋明集二稿
出版年1979年
季節
季語雪どけ

朝寝坊をしながら雪解けを聞いている作者。雪解けの音が聞こえるほど静かな春の朝、春の訪れを耳で感じている句です。

春の水とは濡れてゐるみづのこと 引用元:古志会員による一句鑑賞-春の水とは濡れてゐるみづのこと 『古志』

作者名長谷川櫂
出典元(本)古志・天球
出版年1995年
季節春の水
季語

降水量が多く雪解け水も流れこむ春は、乾燥した冬とは異なり潤いを感じられます。例えば冬の水を「凍っている水」と表現すると、春の水は「濡れている水」。やわらかな、生命のぬくもりの感じられる水と言えます。

まとめ

チューリップ

この記事では3月の季語の俳句を紹介してきました。節分にまつわる俳句から、初春の暖かさを感じる俳句までさまざまな句がありましたね。
みなさんもお気に入りの3月の俳句を見つけてみてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました