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俳句の季語とは?春夏秋冬の季語一覧&小・中学生向けの季語も

俳句

俳句の季語

俳句を詠んでみたいと思っても、季語を入れるのが難しそうですよね。

「江戸時代から変わっていない季語を入れて、普遍的な思いや情景を詠む」俳句を堅苦しくて古臭いものだと思っていませんか。

季語は現代にフィットした俳句が詠めるように、現在進行形で追加されており、「チョコレート」や「ビール」という身近な言葉も季語として認められています。

俳句は気持ちを気軽に表現できる文芸で、季語や5・7・7の形ではなくても俳句として認められるくらい自由なものなのです。

などを知って、俳句について学んでいきましょう。

俳句の作り方!季語とは?

俳句とは、基本的には季語を入れた五・七・五(十七音)の定型詩の事。ただ俳句の中には、季語を入れない無季俳句(むきはいく)や五・七・五にとらわれない自由律俳句もあります。

季語とは、季節を感じさせる言葉の事。「桜」と言えば春、「紅葉」と言えば秋というように、誰でも季節が連想できるような、四季のある日本ならではの言葉です。

四季の美しさを季語にのせて詩を詠む。俳句は四季の移ろいを大切にする日本らしい文化と言えます。

俳句の季語一覧

俳句の季節は旧暦が基準になっています。季節ごと、月ごとでよく使われている季語について見て行きましょう。

俳句の季語|春

俳句の春は立春(2月4日頃)から立夏(5月6日頃)までの季節を指します。

春の季語は他の季節に比べて、天文から生活までオールジャンル揃っており種類が豊富なのが特徴です。

春と言えば卒業式や入学式など生活に変化があり、植物や動物も活動をしだす季節。季語のジャンルすべてに変化のある季節なのかもしれませんね。

時候春昼・立春・八十八夜
天文陽炎・朧月・風光る
地理山笑う・逃げ水・残雪
行事受験・巣立ち・入学式
動物蝶・燕・蛙・子猫・蛙・蝶・鶯
植物桜・たんぽぽ・椿・クローバー・柳・竹・藤の花
生活ランドセル・ブランコ・野焼き

⇒春の季語の俳句はこちら

2月の季語

時候節分・立春・日脚伸ぶ・春隣
天文春雷・春の雪・東風(こち)・風光る
動物猫の恋・鶯・雲雀・白魚
食物海苔・チョコレート・水菜・蜆汁・鶯餅

⇒2月の季語の俳句はこちら

3月の季語

時候啓蟄・春の宵・春暁
地理残雪・雪解・春泥・山笑う
行事入学試験・卒業式・雛祭
動物燕・蛤・蝶
植物椿・土筆・蓬・芹
食物目刺・海苔・鶯餅

⇒3月の季語の俳句はこちら

4月の季語

天文春風・春の雨・朧・蜃気楼
行事遠足・新入社員・入学
動物桜海老・蛍烏賊・鰆・若鮎
植物菜の花・木蓮・独活(うど)

⇒4月の季語の俳句はこちら

俳句の季語|夏

俳句の夏は立夏(5月5日頃)から立秋(8月7日頃)までの季節を指します。

夏の季語は他の季節に比べて、動物や食物の中でも飲み物、天文の季語が多いのが特徴。

夏に多く発生する虫や、暑さをしのぐビールやかき氷もなど、夏の暑い季節にちなんだ季語が多いです。

どの季節でも起こる雷や虹が夏の季語なのは、夏の空は色鮮やかで天気の変化がわかりやすいためかもしれませんね。

時候万緑・土用・海の日・麦秋
天文夕焼け・雷・入道雲・南風・夕日・夕暮れ・夕立・夜の秋・炎天下・木下闇・炎帝・熱帯夜・短夜・若葉風・薫風・虹・豪雨・遠雷・雲の峰・青嵐
地理海・清水・滝
行事原爆忌・夏休み・田植え・祭り
動物ホトトギス・かたつむり・カブトムシ・蚊・蛾・蜥蜴・蝉しぐれ・蟻・金魚
植物どくだみ・緑蔭(緑陰)・胡瓜
食物かき氷・さくらんぼ・そうめん・ところてん・ゴーヤ・サイダー・バナナ・ビール・ラムネ・冷酒・鰻・麦茶
生活汗・サングラス・冷蔵庫・噴水・夜店・扇風機・日傘・昼寝・水田・浴衣・草笛・走馬灯・風鈴

⇒夏の季語の俳句はこちら

初夏の季語

時候夏めく・薄暑・立夏
植物葉桜・新樹・白丁花・カーネーション
食物初鰹・新茶・筍飯

5月の季語

時候立夏・薄暑・麦の秋・風薫る
行事衣替え・母の日・端午・五月の節句
植物薔薇・牡丹・百合・若葉・葉桜
食物苺・筍・夏蜜柑・豆飯
生活鯉のぼり・更衣(ころもがえ)・草笛

⇒5月の季語の俳句はこちら

6月の季語

時候夏至・芒種(ぼうしゅ)・仲夏
天文五月雨・五月闇・五月晴れ
行事父の日・安吾・つぶろさし
動物蛍・燕の子・夏蝶
植物紫陽花・花菖蒲・十薬・水芭蕉・芍薬
食物枇杷・青梅・さくらんぼ・鰹

⇒6月の季語の俳句はこちら

7月の季語

時候水無月・草いきれ・土用
天文炎天・夕凪・雲の峰
地理青田・夏の山・土用波
行事登山・虫干し・朝顔市
動物蝉・空蝉・金魚・黄金虫
植物ひまわり(向日葵)・月見草・ダリア・合歓の花・夕顔・病葉
食物トマト・メロン・胡瓜・茄子
生活プール・花火・風鈴

⇒7月の季語の俳句はこちら

梅雨の季語

時候入梅・梅雨明・梅雨寒
天文梅雨空・空梅雨・梅雨曇
地理井水増す・出水・皐月波
動物雨蛙・蝸牛
植物紫陽花

⇒梅雨の季語の俳句はこちら

俳句の季語|秋

俳句の秋は立秋(8月7日頃)から、立冬(11月8日頃)までの季節を指します。

秋の季語は他の季節に比べて、天文や食物の季語が多いのが特徴です。

秋と言えば、「天高く馬肥える秋」や「食欲の秋」などと言われますので、秋の季語で天文や食物が多いは納得ですね。

時候夜長・爽やか・秋深し
天文霧・星月夜・流星・満月・秋の風・露・台風
行事運動会・文化祭・秋祭
動物トンボ(とんぼ)・赤とんぼ・バッタ・渡り鳥・虫
植物稲・鶏頭・猫じゃらし
食物スイカ・枝豆・桃・南瓜

⇒秋の季語の俳句はこちら

8月の季語

時候残暑・盆の月・秋めく・立秋
天文天の川・星月夜・流れ星
行事七夕・盆・夏休み
動物蜩・蜻蛉・秋の蛍
植物朝顔・桔梗・芙蓉
生活相撲・盆踊・花火

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9月の季語

時候秋彼岸・仲秋・白露
天文野分・台風・十六夜
植物野菊・コスモス・彼岸花
食物葡萄・とうもろこし・石榴

⇒9月の季語の俳句はこちら

10月の季語

時候重陽・馬肥ゆる・秋深し
天文霜降・鰯雲・秋高し
植物もみじ・木犀・落穂
食物林檎・柿・秋刀魚・栗飯

⇒10月の季語の俳句はこちら

俳句の季語|冬

俳句の冬は立冬(11月8日頃)から、立春(2月3日頃)までの季節を指します。

冬の季語は他の季節に比べて、植物の季語が少なく、生活の季語が多いのが特徴です。

葉が枯れ落ち、寂しい風景の広がる冬。天文や植物では恵まれない冬でも、生活を楽しもうとした知恵が季語の数に表れているのかもしれませんね。

天文雪・時雨・小春日和
植物蝋梅・落ち葉・冬牡丹
食物大根・寒鰤・河豚・牡蠣
生活マスク・風邪・炬燵・焚火・スケート

⇒冬の季語の俳句はこちら

11月の季語

時候立冬・小春・行く秋
天文木枯らし・冬夕焼・初霜
行事冬支度・酉の市・七五三
動物冬の虫・浮寝鳥・綿虫
植物山茶花・枇杷の花・石蕗の花
食物柚味噌・蕪・白菜

⇒11月の季語の俳句はこちら

12月の季語

時候冬至・師走・冬麗
天文雪・北風・初氷
行事顔見世・クリスマス・除夜の鐘
植物ポインセチア・クリスマスローズ・枇杷の花
食物鰤(ぶり)・湯豆腐・熱燗
生活柚湯・息白し・冬籠

⇒12月の季語の俳句はこちら

1月の季語

天文氷柱・波の花・雪・初明り
行事元旦・初詣・成人の日
動物寒鯉・かじけ猫・寒雀
植物梅・水仙・寒椿
食物雑煮・玉子酒・七草粥

⇒1月の季語の俳句はこちら

俳句の季語!学生別季語一覧

入学試験や宿題などで、小中学生が俳句に触れる機会は多いもの。小学生と中学生が俳句を詠む時に、おすすめの季語を選んでみました。

自分にとって身近なイベントや、好きな食べ物などの季語を選んで、背伸びしない自分らしい俳句を詠んでみましょう。

小学生向け

小学生にとって、心の中の情感を表現する俳句を詠むのはまだまだ難しいもの。何かのイベントに参加し、その時の感想をそのまま読むのがベターです。

小学生向けは、その言葉を聞くと感想がすぐに出てくるような身近な季語を集めてみました。イベントや自然などを題材に、どう思ったのか素直に表現しましょう。

春の風邪 梅 ゴールデンウィーク 遠足 入学 花見 チューリップ
暑き日 夏の海 山 アイスクリーム プール 夏休み キャンプ 汗
月 紅葉 まつぼっくり 虫の声 柿 栗 きのこ 台風 とんぼ 運動会
寒し 北風 冬景色 セーター マフラー 手袋 おでん こたつ 冬眠

中学生向け

中学生になれば、ただ感想を詠むだけの俳句ではなく、少し踏み込んで心の中の情感を表現したいもの。

集めた季語は、小学生同様身近な言葉ですが、一つの言葉で幾通りの俳句を詠めるような、奥行きのある季語を選んでみました。表現をしたい情感を中心に、気持ちを表すのにどの季節でどの季語が相応しいのか、季語を最初から決めずに俳句を詠むのも良いですね。

春の夢 バレンタインの日 春一番 ゆきどけ 桜 入学 花見
夏の夜 雷 入道雲 夕立 祭 風鈴 向日葵 梅雨明 秋近し
秋の月 鰯雲 紅葉 コスモス きんもくせい サンマ ハロウィーン 虫の声
冬の空 冬の星 オリオン 北風 コート マフラー おでん ストーブ こたつ

季語を使った俳句例

季語を使って作られた俳句を季節ごとに集めてみました。

どの詩も有名なものばかり。情景を浮かべながら味わってみて下さい。

春の季語を使った俳句

菜の花や 月は東に 日は西に

作者名与謝蕪村
季語菜の花

菜の花が一面に広がる黄色い大地。夕暮れ時に東の空からは白い月が上り、東の空からは赤い夕日が沈もうとしています。

黄・白・赤のコントラストの情景が浮かぶ、美しい俳句です。

古池や 蛙飛び込む 水の音

作者名松尾芭蕉
季語蛙(かわず)

古い池に蛙が飛び込んだ音が聞こえた。

蛙が水に飛び込んだ音まで聞こえてきそうなくらい、自然と情景が伝わる俳句です。

夏の季語を使った俳句


引用元:山寺(宝珠山立石寺)|観光スポット|やまがたへの旅 – 山形県の公式観光・旅行情報サイト

閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声

作者名松尾芭蕉
季語

静まりかえった岩山に、蝉の声だけが響いています。

蝉の声以外は何も音がしない、静寂さを感じられる俳句です。

目には青葉 山ほととぎす 初鰹

作者名山口素堂(やまぐち そどう)
季語初鰹

目では鮮やかな青葉を見て、美しいほととぎすの鳴き声を聞き、おいしい旬の初鰹を食べる。

この俳句が詠まれた江戸時代中期、江戸の人々が最も好んだものを3つ集めて詠んだと言われています。

秋の季語を使った俳句

柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺

作者名正岡子規
季語

柿を食べていると、ふいに法隆寺の鐘が鳴りました。

柿の味と法隆寺の鐘の音が聞こえてきそうな俳句です。

名月を とってくれろと 泣く子かな

作者名小林一茶
季語名月

大きなお月様をとってほしいと子供が泣いています。

手に届きそうなくらい大きな月と、取ってほしいと泣いてお願いする子供のあどけなさを感じる俳句です。

冬の季語を使った俳句

いくたびも 雪の深さを たずねけり

作者名正岡子規
季語

風邪を引いて寝ている時に、何度もどのくらい雪が積もったのか聞いてしまった。

子規が病に伏せていながらも、雪の積もり具合が気になる子供の様な心と、病気のせいで起き上がって確認すらできない現状が込められた複雑な思いが込められた俳句です。

スケートの ひもむすぶ間も はやりつつ

作者名山口誓子
季語スケート

スケートをすべる前の、スケート靴の紐を結んでいる時点ですでに滑っているような気持ちになりワクワクしている。

滑りたい気持ちを抑えられないワクワク感が伝わってくる俳句です。

【Q&A】俳句の季語でよくある質問

俳句で季語が二つはある?

季語が二つ以上ある、季重なりと言われる句もあります。

ただ俳句は、1句につき季語1つが基本。俳句の中で季語同士が活かしあっている場合や、使われている季語の中でどちらが優位かはっきりしている場合は季重なりでもOKと言われています。

季語のない俳句はある?

季語のない無季俳句と言われる句はあります。

無季俳句は季語を入れ季節感を表現するよりも、情感を表現する事により重きを置いた俳句です。

俳句は季語があるのが基本ですが、日本史上最高の俳諧師松尾芭蕉も、「恋・旅・離別を詠む場合は、無季の句もあってよいのではないか」と言っていたと伝えられています。

まとめ

俳句の季語についての理解は深まりましたか。

冬の季語「マスク」について、コロナウィルスの蔓延で季節を問わずつけている人が多いため、冬の季語として認められないという動きもあるようです。季語は世相がすぐに反映されるものなのですね。

季語について興味がわいた方は、俳句の季語には「歳時記」という図鑑のようなものがあります。詳しく知りたい方は是非手に取ってみて下さいね。

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